【Zoom特別講演】10月『「元気なび」万博2025 参加への挑戦と成果』

 

 

Ⅰ.日時 2025年10月18日(土)14時00分~15時30分
Ⅱ.場所 Zoomによるインターネット開催
Ⅲ.出席者数 26名
Ⅳ.講師

 成本 洋子さん@79期

(うず福工房代表)

 

1949年 大阪生まれ、

1967年 北野高校卒業、

1971年 大阪大学文学部教育心理学科卒業、

1997年 雑貨セレクトショップ開業

2023年 うず福工房オープン:www.福工房.com

 

Ⅴ.演題 『「元気なび」万博2025 参加への挑戦と成果』
Ⅵ.事前宣伝 今回の万博のテーマは「いのち」です。2年前に万博に参加したいと決めて、準備しつつ、周りの人たちに話すと、その反応は第1位 万博あるの?できるの?第2位 お金かかるの?そんな余裕ない。第3位 すごい!応援してる、がんばって!

ともあれ、無事フューチャーライフビレッジTEAM EXPO部門に、「元気なび」のテーマで参加しました。車にはカーナビがあるように、元気にもナビがほしい。カーナビには正確な地図が必要です。では、「元気なび」の地図はなんでしょう?そんなところから、お話させていただきます。

Ⅶ.講演概要 私が今回の万博に参加したいと思ったのは、2023年10月に、東京六稜倶楽部の講演会で尾崎裕さん(80期)の講演をお聞きしたのがきっかけでした。

東京六稜倶楽部 | 【250回】「万博で変わる未来社会-2025年大阪・関西万博の今」  

万博は、国威発揚から、課題解決へ・・・とか、万博はお祭り、楽しくなければ・・・とか、テーマは「いのち」というようなことが、印象に残りました。その後、万博について調べてみると、個人参加も可能なことがわかり、じゃ参加しようと、軽いノリで決心しました。

ところが、応募してからが大変でした。たった一日の講演と展示でしたが、5段階くらいの審査があったのです。書類審査、3分プレゼン審査、使用素材のSDGs審査、英語表記必須 等々、とても細かくて厳しかったです。

私は、北野卒業後、大阪大学文学部に入学し、教育心理学を専攻しました。学園闘争のまっただ中で、学部での授業はロックアウトでほとんどなし、レポートと卒論を書いただけで卒業してしまいました。その後結婚、3人の子育てに奮闘しました。ビジネス界での経験はほぼゼロ、というわけで、東京六稜会の方々にはいろいろ相談に乗っていただき、そのつど助けていただいたおかげで、厳しい審査を無事クリア出来たと思います。すごく感謝しています。

 

ここ数年にわたり、生物や化学部門では複数の日本人がノーベル賞を受賞しています。いのちをテーマのライフサイエンスの世界は、地道な研究と、顕微鏡やコンピューターの発達に支えられて、近年素晴らしい成果を上げています。でも、論文や専門書は、大多数の人には難しすぎます。そこで、これらの研究成果を、どうしたらもっとわかりやすく伝えることができるか、役立ててもらえるかを工夫する活動を始めました。

まず、その第一歩が「元気になる絵本」の出版でした。「元気になる絵本」は2023年に自費出版し、セレクトショップ開業25周年を記念して、お世話になった方達にお配りしました。

第二歩が今回の万博への参加です。絵本が完成した頃に、ちょうど尾崎さんの講演をお聞きしたことで万博に関心を持ち、実際に参加するまで2年かけて準備しました。

 

参加したフューチャーライフビレッジは、万博会場の東ゲートからは一番遠い場所にあって、ワイヤーのなかに石ころがつまった壁でテントのような建物でした。石ころは、カキやホタテの貝殻と建築廃材を混ぜ合わせて作ったものです。展示ブースでは、電子紙芝居をながし、希望者には「元気なびクイズ」に挑戦していただきました。講演会場では30分間のステージプレゼンテーションを行ないました。

 

プレゼンテーション動画1:万博2025 TEAM EXPO 元気なび

プレゼンテーション動画2:万博2025 TEAM EXPO 元気なびクイズ

 

開催が危ぶまれた関西万博ですが、いざ蓋を開けてみると、158カ国の国と地域、そして9つの国際機関が参加した過去最大規模の国際博覧会となりました。

現代は、画面やバーチャルで様々な体験ができ、知識も得ることができます。それでも、実体験や臨場感というのは、全くインパクトがちがいます。参加して本当に良かったと思っています。

いろんな課題をクリアしていく段階で、自分自身が鍛えられ、すごく成長することができました。また、つどつど、多くの方々にご支援、ご協力をいただきました。この繋がりや経験は万博だったから実現できたかな、と感じています。そして私にとって、宝石のようにキラキラ輝く思い出となりました。

 

これからは、私のライフワークとして、いのちに関することを学びながら、「元気なびシリーズ」として分かり易く発信していく予定です。

最後になりますが、生命活動の土台を支える、ミトコンドリアのビデオをつくりました。2分半ほどのビデオです。どうぞご覧ください。

元気なびシリーズ「ミトコンドリア物語」

 

Ⅷ.質疑応答

広本 治さん(88期)

Q:私は今回の関西万博へは何度も足を運び、沢山のパビリオンを訪れ、フューチャーライフビレッジへも行きました。成本さんが気になった展示があれば教えて下さい。

A:私は万博会場へ3回行きましたが、3回とも手続きや準備に時間をとられて、他のパビリオンを見学する時間の余裕は殆どなかったです。それでもPASONA NATUREVERSE館のiPS心臓の実物だけは見たかったのですが、抽選に外れてしまいました。人気の高かったフランス館やイタリア館など、他の展示は一緒に行った18人の仲間達の写真をみせてもらいました。フューチャーライフビレッジ内ではJAXAの隕石の展示が興味深かったです。

 

Q:TEDのようなプレゼンの指導や資料作成要項みたいなのはありましたか?

A:プレゼン例の紹介ビデオが用意されていて、参考にしました。万博出展の募集要項には個人参加可能、と書いてあったので大丈夫だと思って参加したのですが、実際に審査会場へ行って他の出展希望者をみると、私が最高齢で、しかも私以外の個人参加はほぼほぼなかったと思います。紹介ビデオに従って作業するにしても、IT系企業に勤めているような若い方なら当たり前のようにできるようなことでも、私にはとても同じようにはできませんでした。それでも、運営側の皆さんは、いやな顔もせず、丁寧に親切にいろいろ教えて下さって、私も何とかやり通しました。万博出展を決意してから2年間、しごかれましたし、かなり頑張りました。貴重な体験でした。

 

 

雫石 潔さん(75期)

Q:成本さんのプレゼンテーションで、外国の方からの感想について印象に残ることはありましたか?

A:ステージプレゼンテーションでは外国の方はおられなかったように思いますが、展示ブースでは英語バージョンのクイズも用意していましたので、海外の方もたくさん立ち寄ってクイズに参加していただきました。クイズに全問正解した方には「元気なび」オリジナルの缶バッチをお渡したのですが、200個用意した缶バッチは、全然足りませんでした。たった1日の展示でしたが、かなりの数の人たちが参加して下さったのだと思います。

 

 

橋本 操さん(73期)

Q:とても暑い日でしたが、万博関係者の身分証でお手伝いができて、貴重な体験をありがとうございました。展示ブースでは4班に分かれてシフトを組みましたので、お手伝いした私たちも、空き時間がしっかりとれて万博を楽しむ事が出来ました。

A:展示ブースでは、行列も出来ていましたし、担当された皆さんそれぞれの個性でクイズを進めて下さっていて良かったと思います。当日は79期の大阪の同窓生も数人駆けつけてくれましたので「元気なびうちわ」を手に会場を巡ってもらいました。良い宣伝になったと思います。

7月1日は10万人ぐらいの入場者だったと思います。ビレッジは会場の端っこに位置していましたが、統計的には入場者の約1割が訪れる場所らしいので、当日は、通り抜けるだけでも1万人くらいの人が居たわけです。かなりの人数でしたね。

 

 

坂田 東一さん(79期)

Q:成本さんの勇気ある行動に大変感服しました。沢山の人が成本さんに協力を申し出たのは、成本さんのご人徳だと思います。今日拝見した「元気なび」ですが、学術的に難しい内容を大変分かりやすく柔らかく表現されていて、とても良い資料だと思いました。YouTubeで公開されているそうですか、他にもっと広まるような活動をされていますか?

A:「元気になる絵本」を出版したとき、千葉大の脳外科の先生など各方面からは絶賛されたのですが、私個人の力で世の中に広めることには限界がありました。図書館に寄贈しようとしましたが、図書館の蔵書となるかどうかは、図書館の審議会を通過しなくてはならず、絵本の中身を確認する前に、門前払いのような扱いを受けました。それで、読み聞かせ活動をしている方にお渡ししたり、学校の保健室に置いてもらうような活動しか出来ませんでした。私にとって万博は、私の作った「元気なび」を世の中に広める大きなチャンスでした。

 

Q:使用されている英語がたいへん美しいですね。

A:高齢の方からは、使用している英語が難しいと言われてしまいましたが、小学校高学年のお孫さんを持つ方からは、好評を頂いています。英語パートは、翻訳機は使用せず、私が作成した英語の文章を元に、米国の知人女性や長年外資系企業に勤めている甥の手を借りて完成させました。「元気なび(英語)」の音源はその女性の録音データを使用しましたが、他の音源は私の声を元に生成AIで作成しました。

万博2025 TEAM EXPO 元気なび(英語)

万博2025 TEAM EXPO 元気なびクイズ(英語)

 

 

Ⅸ.資料 万博2025 元気なび講演

元気なび万博記録2025.7.1

記録:野田美佳(94期)

Ⅹ.講演風景 スクリーンショット (2)スクリーンショット (7) (1)スクリーンショット (27)スクリーンショット (28)スクリーンショット (29)スクリーンショット (30)IMG_8450 (1)