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午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第23話】


脈絡のないこと

更新が遅れてしまって、すみません。
宿題は提出前日の夜に、テスト勉強は当日の朝が勝負、と、これまで積み上げてきた習慣は、なかなか治りません。
スケジュールを立てるの(だけ)は大好きなのですが・・・・何か、計画倒れにならない、いい方法などだいものでしょうか。
さて、今回は、サブタイトルにもある通り、脈絡のない物事詰め合わせです。

『一月は行く、二月は逃げる、三月は去る』と、よく言ったものだなぁと、この時期、毎年思います。
気がつけば、もう四月。
日本では、卒業・入学ラッシュですが、こちらでは、つい一週間前まで、イースター休み前の宿題提出の嵐が吹き荒れていました。

「俺・・・・もう駄目だよ、出来る気がしないよ」
「俺も同じだ!全く分からん!」
「しかし、これが終わればイースター!ところで旅行の計画なんだけど・・・・」
と、絶望感を漂わせる人、仲間を探す人、現実逃避をする人など、リアクションは様々です(ちなみに私は現実逃避型)。

特に、この頃は快晴が続いており、芝生で日光浴、の誘惑に勝てない人が続出。
よく言われることですが、日本人とは正反対に、欧米人は、日に焼けた肌=健康的でカッコいい、というイメージが非常に強く、とにかく日光浴をしたがりま す。
五月にもなれば、水着(!)を着る大胆な女性、半裸の男性も出てきて、もう大学なんだかビーチなんだか、よく分からない状態になることもあります(さすが に、まだ肌寒く、そんな強者はいませんが)。

さて、その「日光浴をする学生」の証拠(?)写真を撮りたかったのですが、何故か、これを書き始めた翌日から、天気が荒れに荒れるという事態に。
何だかんだと、天気の悪いまま、休みに突入してしまいました。

というわけで今回は、私が撮った「ちょっと珍しいもの」を二枚、添付しておきます。

土入りペットボトル
▲土入りペットボトル
髭剃り用コンセント
▲髭剃り用コンセント

一枚目、土の入ったペットボトル。
授業でプレゼンをしたのですが、そのバックアップに必要でした。
「食べ終わった果物の種を入れたが、まだ発芽していない」とプレゼンでは主張しましたが、実は種をうっかり捨ててしまい、何も入っていないただの土である ことは内緒です。

二枚目、髭剃り用コンセント。もちろん使ったことはありません。
これ、実は去年の部屋の写真なのですが。
別に髭剃り用コンセントマニアとかではなく、描かれている男の人が撮りたかっただけです。
この顔が、安西水丸の描く、村上春樹の似顔絵に見えて仕方がなかったあの頃。
今あらためて見直すと、まぁそう見えなくもないよなぁ、くらいですが、何だか妙にかわいくって、結構好きでした。

それでは、また。
次回あたりでは、もうちょっとイギリスらしいコラムが書ければいいなぁと思います。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第22話】


大雪

『ありえへんくらいの雪やで。いや、ありえへんっていうほどでもないねんけどね。別にドアが雪に埋まってもうて、窓から出なあかんーとかいうこともない し。
いやいや、北海道とかに比べたら全然たいしたことないねんで。でも何か、ロンドン18年振りの大雪!とからしいねん。授業とか、先生来られへんで全部休み になるしな、電車も動いてへんみたいやしな。もう外ありえへんくらい白いねん。
でもやっぱり雪降ったら、人間やることは万国共通やねんな、もうあっちこっちにウザいくらい雪だるまできてんねん。ってか大体、みんなちょっと雪降ったく らいで騒ぎすぎやねん。昨日なんて夜中の3時とかまで、外で「雪やー!」ってはしゃいでんねんで?もうええかげんうるさいっちゅーねん。
・・・・ってうわ、また降ってるし!外めっちゃ白いし!ってか寒っ!!』

というのが、2月1日の、私と、日本にいる彼氏との会話オン・ザ・フォンでした。

新聞などで知ってらっしゃる方も多いでしょうが、ロンドンはこの冬、実に18年ぶりの大雪を経験しました。
これを書いている2月8日現在は、雪もほとんど融けています。
明日、学校に行くバスの中からは、きっと「かつて雪だるまと呼ばれたもの」が、あちこちで見られることでしょう。

雪の写真 雪の写真
▲雪の写真
「雪景色というのは、上から撮ってもどれだけ積もっているか全く分からない」
というとても大事なことを学びました。
しかしホント、北国みたいな景色ですね。いや北国行ったことないけど。

冒頭の会話(というか一方的に私が喋っていただけですが)にも出てきたように、道路が凍り、電車もストップしたために、ほとんどの先生方が大学まで来られ ず、授業は休講になりました。
そして学生のはしゃぐことはしゃぐこと。「君ら、本当に大学生か?」と問いたくなるほどの、はっちゃけぶりでした。
一番印象的だったのは、ロシアやカザフスタンからの留学生までもが楽しそうに遊んでいたことです。
母国で散々見ているだろうに何を今更、と私などは思うのですが、ひょっとすると、もう条件反射的に「雪=とにかく遊べ!」と、遺伝子に刷り込まれているの かもしれません。

さて2月といえば、恋人達にとっての一大イベント、バレンタインデーがありますね。
イギリスは、日本ほどバレンタイン商戦が盛んではないものの、店先にはチョコレートやぬいぐるみが並び、ショーウィンドウはハートで飾り付けられていま す。
しかし、遠距離恋愛中のカップルには関係のない話・・・・と、諦めているだろうね?私の彼氏君。
ふっふっふ、チョコレートをあげられない代わりに、ワールドワイドウェブで愛の告白をしようではないか!

『大学忙しいのに、いつも電話してくれて、ありがとね。
生意気な事、我が儘な事、沢山言ってごめん。優しい所、面白い所、しっかりしてる所、話を聞いてくれる所、私のボケに突っ込んでくれる所、全部好きだよ。
これからもよろしくね』

さて、超私信である上に、「バカップル?そんな言葉じゃ足りねぇな!」ってくらいの甘々な最後で、読者の皆様には失礼いたしました。どうか、大きなお心で もってお見逃し下されば幸いです。

それでは、また来月。次のコラムがアップされる頃には、もう少し暖かくなっているといいですね。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第21話】


ミカド

新しい年になりました。個人的に、2009は何とも座りの悪い数字のような気がするのですが、去年も2008について同じ事を思ったような気がします。
この前まで、たとえば映画の製作年が2000年以降だったりすると、「お、最近のやつだな」と思っていたのですが、よく考えてみると、10年近く前だった りするのですよね。
2000年からこっち、私はずっと学生ですが、何をしてきたかと振り返ると、大したことも思い当たりません。
今年は、例えば60年後、おばあさんになっても、「2009年の私は頑張った」と思えるような年にしたいと思います。
と、60人の鬼を笑わせたところで、そろそろ本題に入ります。

▲Savoy  Opera Society(略してSOS)のロゴ
▲Savoy Opera Society
(略してSOS)のロゴ

二年生になってから、Savoy Opera Societyというサークルに、リハーサルピアニストとして参加しています。
年に二回、発表があり、秋学期は「The Mikado」という、イギリス人の作詞・作曲家コンビGilbert & Sullivanによるオペラを上演しました。

タイトルからも分かる通り、日本を扱ったオペラです。
しかし、内容は「特に日本じゃなくてもいいんじゃないの?」という感じ。
Titipuという町に現れた流れ者が、お偉いさんの婚約者に求婚するところから話は始まり、賄賂を公然と要求する政治家や、死刑が大好きな帝が絡んで、 どたばたの喜劇を演じます。
ここからはWikipediaからの引用になりますが、このオペラが作曲された当時、イギリスでは空前の日本ブームが巻き起こっていたそうです。
また、社会風刺色の強い作品であるため、舞台を日本に設定することで、イギリス政府の追及を逃れた、という背景があったようです。

宣伝用に作ったパーカー 宣伝用に作ったパーカー
▲宣伝用に作ったパーカー。
私の大学では、ほぼ全ての公演で、このようなパーカーやTシャツが作られます。
後ろには公演の詳細、前には自分の名前と役職が入っています。

本番は四日間にわたって行われたのですが、毎日ほぼ満席で、客席からの反応も、とても良いものでした。
この公演を通じて、色々な人達と知り合うことができ、また、ピアニストとして、とても良い経験を得ることができました。

現在、Savoy Opera Societyは、今学期の公演「Die Fledermaus(こうもり)」に向けて練習中です。
私は最初、この名前が全く覚えられず、「ほら、ディープリーみたいな」「ディエ何とか」「ダースベーダー的な何か」と、馬鹿まる出しの発言を繰り返してい ました。(正しい発音は、カタカナで書くと「ディフレイダマス」と、レを強調した感じになります。さらっと言ったほうが、使い慣れてる人っぽく聞こえま す。)
一応、「The Bat」という英訳もあるのですが、一般的には原題が用いられているようです。
でも皆いまいち覚えきれていないらしく、時々つづり違いを見かけたりします。

来月は・・・・と予告しかけて、あわてて止めました。経験とは学ぶためにあるのです。
のんびり、楽しみにして下されば幸いです。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第20話】


ボランティア活動 その2

前回に引き続き、ボランティア活動の話です。
未だに一回生の終わりの出来事を書くのもなんですが、予告してしまった手前(するんじゃなかったと激しく後悔中)、これを書かないと前に進めません。
何にせよ予告ってのは、実現すればめちゃくちゃ格好いいですが、スカってしまえばただの誇大妄想ですね。
両刃の剣ってやつですか。ダース・モールですか。・・・・次から気をつけます。

再利用プロジェクトは、それまでにない新しい試みでした。
実家から通う学生の少ない大学では、夏休みに帰省する学生達が、大量のゴミを出します。その中には、まだ使える家電製品や、ほとんど袖を通されていない服 も沢山あります。
それらをただ捨ててしまうのは勿体無いので、種類ごとに分別して、それぞれに再利用を図ろうというのが、プロジェクトの主旨でした。

自他ともに(他って誰だ)認める「分別好き」の私には、まさにうってつけのボランティア。すぐに応募して、私が住むFounders Hallでの分別を任されることになりました。

指定の分別場所を示すポスター 指定の分別場所を示すポスター
▲指定の分別場所を示すポスター

最初は、どのくらい物が集まるのか、少し不安でしたが、それは杞憂に終わりました。日を追うごとに、分別場所には、ビニール袋が次々と重なっていき、しか も一つ一つが満杯まで詰められています。
皆の、再利用に対する意識の高さに驚きを覚えつつも、今までゴミとして処理されてきた物の量を思い、心が痛みました。

ある程度、量が集まってきたら、ボランティア開始です。
大半は衣服ですが、状態を一つ一つ見ていかなければなりません。袋は毎日増えていくので、私も、ほぼ毎日、分別場所に出向いていました。私の部屋と分別場 所はとても近かった(二部屋向こう)ことが幸いでした。

しかし、この近さが、ある事件を招いてしまったのです。

それは月曜の朝のことでした。
その頃の朝のルーチンワークは、前夜に集まった袋の量をチェックすること。
7時半と、まだ比較的朝早かったこともあり、私は、Tシャツに短パンというバリバリの寝巻きのままで分別場所に向かったのです。

ノックもせずに(共用の部屋なので、する人なんていないけど)ドアを開けると、なんとそこには人の姿が。慌ててドアを閉めようとしましたが、時すでに遅 し。
こちらを振り向くと(なかなかカッコいい)、「あ、いや、あの、ほら、僕このプロジェクトの担当者で、あの、記念に写真撮ってるだけだから」と、しどろも どろに理由を説明してきました。

手には確かにデジカメが。まぁ確かに、<女子用の寮の階+朝+写真>っていうのは、どうにもこうにも、男性にはなかなかマズい状況ですね。いくらイケメン とは言え。しかし、担当者と分かった以上、私も知らんぷりするわけにはいきません。
「あ、ここの袋の仕分けっていうか分別っていうかをやってて、そんで朝起きて、いやさっき起きたんですけど、部屋が近いので」と、負けず劣らずにしどろも どろな自己紹介をし、ささっと握手を交わして、部屋に逃げ帰りました。

この話から得た教訓は、「部屋の外に出るときは、せめて髪だけでも梳いておこう」ということです。

それでは皆様、良いお年を。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第19話】


ボランティア活動

どうも今日は。
さて、予告通り、今回はボランティア活動について書きたいと思います。

・・・・って、さすがにこの3ヶ月余りのブランクを無かったことにするのは無理ですね。すみませんサボってました。
「第19話は8月23日頃公開の予定です」って、今もう秋の終わりですが何か?と開き直る度胸もないのでもう一回謝ります。ごめんなさいサボってました。
21歳になったことだし、今月からはもうちょっと頑張りたいと思います。

Volunteering Week のロゴ。学校のウェブサイトから。
▲Volunteering Week のロゴ。
学校のウェブサイトから。

一回生の終わりに、二つのボランティア活動に参加してきました。
一つは空き地の整備、もう一つはチャリティショップに寄付する衣類などの仕分けです。

空き地の整備は、学校が行っているボランティアプロジェクトの一つでした。
「Volunteering Week 2008」と呼ばれるこのプロジェクトは、ボランティア活動で地域に貢献すると共に、交流を深めようというもので、土地の整備の他にも、老人ホームや小学 校への訪問など、様々な活動が一週間を通して行われました。
空き地の整備というのは、つまり草抜きと土ならし。
「草ぼうぼうで石も転がり放題で、ぶっちゃけ誰か使いたくても使えないの。でも人雇うほどでもないから、整備よろしくね☆」ということです。
ものすごくいいように使われてる感がありますが、そこはボランティア。チーム6人、力を合わせて作業に取り組みました。

いずれは、こんな風になってくれたらいいなぁ。写真は、Freefoto.comより。
▲いずれは、こんな風になってくれたらいいなぁ。
写真は、Freefoto.comより。

指定された土地はそれほど広くなく、「こんなのすぐに終わるんじゃないの♪」と、最初は余裕綽綽、冗談を飛ばしあいつつ作業を進めていました。
しかし、容赦なく照りつける太陽、刺さるイラクサの棘、想像以上に固い地面に、全員段々と無口になっていきます。
3時間経って、ようやく3分の2ほど終わりました。その頃にはチームの士気は下がりに下がった状態で、「・・・・休憩、しようか」と誰かが呟くと、全員へ たりと座り込みました。

しばらくは、ぽつりぽつりと会話を交わす程度だったのですが、そこは大学生。体力が回復してくると、一気に気分がハイになってきました。
「水鉄砲だぜ、イエーイ☆」と、ペットボトルの水を頭からかけあったり、それに飽きると昼食に宅配ピザを注文し、住所は「空き地」と聞いて驚いている(で あろう)宅配員をネタに笑ったりと、ボランティア活動にいそしむ爽やかな大学生、からは程遠い行動を取っていました。

一通りハメを外したあとは、作業を続行し、終了時間が来る頃には、土地は見違えたようになっていました。後日、感謝のEメールもいただき、しんどかったし 色々やらかしたけど、参加して良かったなぁと思ったのでした。

今回書ききれなかった、もう一つのボランティアについては、また別の機会に書かせていただきます。

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