2008年のバックナンバー

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第20話】


ボランティア活動 その2

前回に引き続き、ボランティア活動の話です。
未だに一回生の終わりの出来事を書くのもなんですが、予告してしまった手前(するんじゃなかったと激しく後悔中)、これを書かないと前に進めません。
何にせよ予告ってのは、実現すればめちゃくちゃ格好いいですが、スカってしまえばただの誇大妄想ですね。
両刃の剣ってやつですか。ダース・モールですか。・・・・次から気をつけます。

再利用プロジェクトは、それまでにない新しい試みでした。
実家から通う学生の少ない大学では、夏休みに帰省する学生達が、大量のゴミを出します。その中には、まだ使える家電製品や、ほとんど袖を通されていない服 も沢山あります。
それらをただ捨ててしまうのは勿体無いので、種類ごとに分別して、それぞれに再利用を図ろうというのが、プロジェクトの主旨でした。

自他ともに(他って誰だ)認める「分別好き」の私には、まさにうってつけのボランティア。すぐに応募して、私が住むFounders Hallでの分別を任されることになりました。

指定の分別場所を示すポスター 指定の分別場所を示すポスター
▲指定の分別場所を示すポスター

最初は、どのくらい物が集まるのか、少し不安でしたが、それは杞憂に終わりました。日を追うごとに、分別場所には、ビニール袋が次々と重なっていき、しか も一つ一つが満杯まで詰められています。
皆の、再利用に対する意識の高さに驚きを覚えつつも、今までゴミとして処理されてきた物の量を思い、心が痛みました。

ある程度、量が集まってきたら、ボランティア開始です。
大半は衣服ですが、状態を一つ一つ見ていかなければなりません。袋は毎日増えていくので、私も、ほぼ毎日、分別場所に出向いていました。私の部屋と分別場 所はとても近かった(二部屋向こう)ことが幸いでした。

しかし、この近さが、ある事件を招いてしまったのです。

それは月曜の朝のことでした。
その頃の朝のルーチンワークは、前夜に集まった袋の量をチェックすること。
7時半と、まだ比較的朝早かったこともあり、私は、Tシャツに短パンというバリバリの寝巻きのままで分別場所に向かったのです。

ノックもせずに(共用の部屋なので、する人なんていないけど)ドアを開けると、なんとそこには人の姿が。慌ててドアを閉めようとしましたが、時すでに遅 し。
こちらを振り向くと(なかなかカッコいい)、「あ、いや、あの、ほら、僕このプロジェクトの担当者で、あの、記念に写真撮ってるだけだから」と、しどろも どろに理由を説明してきました。

手には確かにデジカメが。まぁ確かに、<女子用の寮の階+朝+写真>っていうのは、どうにもこうにも、男性にはなかなかマズい状況ですね。いくらイケメン とは言え。しかし、担当者と分かった以上、私も知らんぷりするわけにはいきません。
「あ、ここの袋の仕分けっていうか分別っていうかをやってて、そんで朝起きて、いやさっき起きたんですけど、部屋が近いので」と、負けず劣らずにしどろも どろな自己紹介をし、ささっと握手を交わして、部屋に逃げ帰りました。

この話から得た教訓は、「部屋の外に出るときは、せめて髪だけでも梳いておこう」ということです。

それでは皆様、良いお年を。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第19話】


ボランティア活動

どうも今日は。
さて、予告通り、今回はボランティア活動について書きたいと思います。

・・・・って、さすがにこの3ヶ月余りのブランクを無かったことにするのは無理ですね。すみませんサボってました。
「第19話は8月23日頃公開の予定です」って、今もう秋の終わりですが何か?と開き直る度胸もないのでもう一回謝ります。ごめんなさいサボってました。
21歳になったことだし、今月からはもうちょっと頑張りたいと思います。

Volunteering Week のロゴ。学校のウェブサイトから。
▲Volunteering Week のロゴ。
学校のウェブサイトから。

一回生の終わりに、二つのボランティア活動に参加してきました。
一つは空き地の整備、もう一つはチャリティショップに寄付する衣類などの仕分けです。

空き地の整備は、学校が行っているボランティアプロジェクトの一つでした。
「Volunteering Week 2008」と呼ばれるこのプロジェクトは、ボランティア活動で地域に貢献すると共に、交流を深めようというもので、土地の整備の他にも、老人ホームや小学 校への訪問など、様々な活動が一週間を通して行われました。
空き地の整備というのは、つまり草抜きと土ならし。
「草ぼうぼうで石も転がり放題で、ぶっちゃけ誰か使いたくても使えないの。でも人雇うほどでもないから、整備よろしくね☆」ということです。
ものすごくいいように使われてる感がありますが、そこはボランティア。チーム6人、力を合わせて作業に取り組みました。

いずれは、こんな風になってくれたらいいなぁ。写真は、Freefoto.comより。
▲いずれは、こんな風になってくれたらいいなぁ。
写真は、Freefoto.comより。

指定された土地はそれほど広くなく、「こんなのすぐに終わるんじゃないの♪」と、最初は余裕綽綽、冗談を飛ばしあいつつ作業を進めていました。
しかし、容赦なく照りつける太陽、刺さるイラクサの棘、想像以上に固い地面に、全員段々と無口になっていきます。
3時間経って、ようやく3分の2ほど終わりました。その頃にはチームの士気は下がりに下がった状態で、「・・・・休憩、しようか」と誰かが呟くと、全員へ たりと座り込みました。

しばらくは、ぽつりぽつりと会話を交わす程度だったのですが、そこは大学生。体力が回復してくると、一気に気分がハイになってきました。
「水鉄砲だぜ、イエーイ☆」と、ペットボトルの水を頭からかけあったり、それに飽きると昼食に宅配ピザを注文し、住所は「空き地」と聞いて驚いている(で あろう)宅配員をネタに笑ったりと、ボランティア活動にいそしむ爽やかな大学生、からは程遠い行動を取っていました。

一通りハメを外したあとは、作業を続行し、終了時間が来る頃には、土地は見違えたようになっていました。後日、感謝のEメールもいただき、しんどかったし 色々やらかしたけど、参加して良かったなぁと思ったのでした。

今回書ききれなかった、もう一つのボランティアについては、また別の機会に書かせていただきます。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第18話】


ナショナル・シアター

6月は作者取材のため休載させていただき、7月は作者急病のためUP予定日を延期しています・・・・
というのは真っ赤な嘘で、取材もしていなければ病気もしていないこの頃です。
地味な取り柄ですが、体だけは滅茶苦茶に丈夫です。

実は6月中旬に、ひっそりと帰国していました。
9月には、またイギリスに行く予定なので、(無事、進級もできました)7月・8月は、6月に私がイギリスで体験したことを書かせていただこうと思います。

楽そうな椅子
▲楽そうな椅子
魅惑のリラックススペース
▲魅惑のリラックススペース
バルコニーから見えるテムズ川
▲バルコニーから見えるテムズ川

この楽そうな椅子(右の写真)は、ロンドンのナショナル・シアターの玄関前に置いてあったものです。
前まで何もなかったのですが、夏だからなのか新しい試みなのか、6月に行ってみると、魅惑のリラックススペースが現れていました。
しかし、この形の椅子は、実際に座ってみると、案外としんどいものですね。
私はハンモックでも全くリラックスできないのですが、それと似たような感じです。
立ち上がるときも一苦労でした。

スペースを上から撮った図(左の写真)です。 一応、正面からの写真も撮ったのですが、イチャついてるカップルの顔などが、あまりにはっきり映っているので、こちらに載せるのは止めました。
この写真では分かりにくいですが、緑の椅子は、人間に比べて、かなり大きいです。
しかし巨人の椅子というほど大きくもなく、強いていうなら「ナルニア国物語」のライオンが寝そべって丁度いいくらいですかね。
人間が座ると、大体4、5人が並んで座れるくらいの大きさです。しかし気持ちよさそうですね。

シアターの二階バルコニーから撮ったテムズ川(右の写真)です。
この日は、ジョージ・バーナード・ショーの劇「Major Barbara」を見に行ったのですが、休憩時間中は、バルコニーでのんびりと風にあたっていました。
色々と考えさせられる社会派の劇だったので、知恵熱で火照った頭を、ちょうどいい具合に冷やすことができました。

さてさて、来月は、私が学校で参加したボランティア活動について書かせていただこうと思います。
寝起き姿でイケメンと握手、畑でピザパーティなど、エピソードあふれる回になりそうです。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第17話】


スター・ウォーズ展

前回、試験が迫っていることをチラリと書きましたが、その試験も無事に終了しました。結果が出るのは、まだまだ先ですが、これでやっとストレスフリーな生 活が送れそうです。しかしこの1ヶ月、試験以外には全く何もしていなかったので、今回ここに書けるような事が思いつきません。そこで、かなり前の話です が、スター・ウォーズ展に行った時の事を書こうと思います。

精巧に作られた小道具
▲精巧に作られた小道具

寒風の吹きすさぶ1月、イギリスに帰ってきて早々に、ロンドンまでスター・ウォーズ展を見に行きました。私はこの6部作映画のファンで、小さい頃はマジで ジェダイになりたいと思っていました。ライトセーバーが、あまりに熱そうなので、諦めましたが。入場料は12ポンド(約2500円)と高めでしたが、払っ ただけの価値はありました。

中は写真撮り放題だったので、色々とカメラにおさめてきましたが、あいにく照明と私の腕前の関係で、一枚目のような薄暗い写真しか撮れませんでした。ファ ンだと言っておいて何ですが、この写真に写っている物が映画のどこに出てきたのか、いまいち思い出せません。しかし、精巧な作りに感動しました。

丁寧に描きこまれた原画
▲丁寧に描きこまれた原画

二枚目の写真のような原画も、たくさん展示してありました。ロボットや動物から、登場人物の服装に至るまで、細部が丁寧に描きこまれた原画の数々に圧倒さ れました。改めて、映画作りの大変さを感じました。

展示の他にも、ジェダイによるパフォーマンスや、ジェダイの服を着ての撮影会など、観客参加型の催しもありました。どれも、とても楽しそうだったのです が、あいにく時間の関係で、行くことはできませんでした。

もう一ヶ月もしないうちに、日本に帰国する予定です。帰国といえば、去年の段ボール犬ぞり計画と、スーツケース詰めなおしの悪夢がよみがえりますが、今年 は、もう少し落ち着いていきたいと思います。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第15話】


中華街の旧正月

もう3月ですね。12月から2月までお休みをいただいて(と言うと聞こえはいいですが無断休載です、ごめんなさい)、今月ようやく復活しました。特に何が 忙しかったというわけでもないのですが、授業数が増えたことに加え、映画の撮影(音響のアシスタント)や劇のアシスタント(大道具の組み立て)をやらせて もらって、バラエティに富んだ二学期でした。

そんな二学期も20日で終わり、レポートと課題のラッシュ(計画を立ててればラッシュになんてなりませんが)でズタボロになった私を癒してくれる春休みが やってきました。が、まだ始まったばかりの、私の輝かしい春休み予定で今月分を終わらせるわけにもいきません。ので、少し時期は戻りますが、2月に行っ た、中華街での旧正月のことを書こうと思います。

人通りは普段の約5倍(体感)
▲人通りは普段の約5倍(体感)
そこいらに露天商の姿が
▲そこいらに露天商の姿が

2月上旬に行われる、中華街の旧正月のお祭りは、中華街に住む人達だけでなく、ロンドン全体にとっても、非常に重要な行事です。毎年、大体一週間ほど続く のですが、そのなかでも一日、大きな催し物が開催される日があります(今年は10日でした)。この日は観光客も沢山来るので、商業化されている点が多く、 中華街に住む人たちは、商売にいそしみます。
通りには写真のような飾りがあしらわれ、踊りや楽器の演奏などが一日続きます。通行量も約5倍(体感)に跳ね上がり、人波をかきわけかきわけ進むことにな ります。

また、通りには、中国のおもちゃを売る人達が並びます。も私が小学生の頃、学校の外でおもちゃを売っていた人達よりもシンプルで、段ボールに商品をつめ、 適当な場所に座っているだけ、というまさに「今日だけ」感が大変によく出ています。おもちゃは爆竹のようなものや、日本のでんでん太鼓など音の出るものが 多く、最初の一時間ほどはお祭り気分を高めてくれるのですが、あまりにあちこちで聞くもので、だんだんうっとうしくなってきました(笑)
二枚の写真は、どちらも9日に撮ったものなので、10日の様子がお見せできないのが残念です。何故わざわざ前日にも中華街に行ったのかは、長い話になるの で割愛しますが、もともと行くつもりじゃなかったんです……道に迷って辿りついた、という方が正しいです。10日は人波がすごいと聞いていたので、荷物を 最小限にするために、カメラを部屋に置いていきました。
もう花粉の季節ですね。イギリスでは比較的マシな花粉症ですが、この季節はやはり辛いものがあります。目玉の洗浄がしたい今日この頃です。