Pages: Prev 1 2 3 4 5 6 Next

‘未分類’ カテゴリーのアーカイブ

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第12話】


荷造りは徹夜で

9月も終わりに近づき、いよいよイギリスに向けての出発が間近になってきました。いやいや、間近っていうか明日なんですけどね。どんだけぎりぎりのスケ ジュールで書いてるんだよって話ですよね、全然忙しくないのに。

an12-1.jpg

そんな訳で、出発前日の今日は荷物作りです。
まず前日に荷物詰め始めるのがおかしいんですけど、そこは計画性の無さの成せる技。
ちなみにイギリスから帰ってくるときも、前日夜から始めて、徹夜で終わらせてました。朝4時半にゴミを捨てに行くときの、大学の静けさと心の達成感は、な かなか忘れられません。
まあゴミ箱に着く寸前でゴミ袋の底が抜けて、手でかき集めて持って行ったなんてことで50パーセントダウンな達成感でしたが。

ヒースローでの重量オーバーを教訓に、今回は出来るだけ荷物を少なくしよう、という目標を掲げつつ開始した荷物詰めですが、いやいやこれが終わらない。
「冬休みに帰ってくるから、セーター1枚でいいやー」とか、
「暖房付いてるからコートいらないよねー」とか、
自分にとっての適温を度外視した方法で荷物を減らしてはいたのですが、何だかんだと必要なものが出てくる出てくる。
途中で放棄しかけましたが、母の助けを借りて(この場合の「助け」とは、小学生が夏休みの自由研究で瓶詰めの船を持ってきて、「まー、○○ちゃんすごいわ ね。自分で作ったの?」「ちょっとお父さんに手伝ってもらった」程度の手伝いです。要は90パーセント)無事にほとんど終えることが出来ました。

そうそう、プロフィールを更新していただきました。
通っていたUniversity Foundation Programmeは無事に卒業し、今年から晴れて大学生になります。まあ、大学同じだし、住む寮も変わってないし、友達もいるしで、ほとんど去年と変わ りないんですけどね。
学部は演劇学部と音楽学部の掛け持ちです。まあ籍は演劇学部に置いてあるんですが、音楽学部の授業も取れるという、大変お得なシステム。授業料一緒だか ら、これは嬉しいですね(どこのテレビショッピングだ)。

そんなこんなで、来月からはイギリスからのイギリス便りが書けると思います。まあだからと言って何が変わるわけでもないのですが(笑)

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第11話】


届かない荷物[後編]

さてさて後編。一応前編のあらすじを簡単にまとめますと、大きすぎる荷物をどうやって部屋から郵便局まで運ぶかってとこ でしたね。しかし前回、ほとんど話進めてないなあ……。

an11-1.jpg
ゴルフ場の草すべりで交流~©中国新聞(2007.8.4)
※写真はイメージで本文と関係ありません[編]

困った中本は一生懸命考えました。考えた挙句出した答えは、ずばり(古いって)犬ぞり方式。つまり、橇の上に荷物を乗せて、引っ張って持ってこうって訳で す。もちろん犬=私、ですけどね。

準備自体は超☆簡単でした。まず大きい段ボールを開き(牛乳パックをリサイクル容器に入れる時みたいに)ます。これが橇の代わりですね。次にその端4分の 一くらいを山折りして、折った部分に穴を空けて、ある程度の長さの紐を通して、輪っか状にします。後は荷物を、平らな4分の3の場所に乗せるだけ。その状 態で紐を引っ張り、郵便局まで下の段ボールもろとも、ずるずる引きずってこう、って魂胆です。

材料不足(紐なんてパジャマのズボンのですから)に加え、私の頭の程度を考えれば、これは大変良い方法だと思います(自画自賛)。しかーし、この方法には 致命的な弱点が。……恥ずかしいんですよ。もう全身、好奇の目にさらされまくりですよ。

an11-1.jpg
がんばれダンボールなリヤカーの人~©日本橋Blog(2004.9.24)
※写真はイメージで本文と関係あり ません[編]

だってあれですよ、まず普通に歩いてて、後ろから「……ズズッ……ズズッ……」って聞こえてきたら、やっぱり振り向きますよね。そんで視線の先には、想像 を遥かに超える光景が広がってるんですよ。完璧に疲れで顔が引きつり息の荒いアジアンガールが、重そうな段ボールを載せた段ボールを、パジャマの紐で引っ 張ってるんですもんよ。しかも時々、異国の呪いっぽいの呟いてる(実際は「あー重たいんだっつーの」とか「お、絨毯のトコは、やっぱり楽だな」とか独り 言ってた(「ひとりごとってた」とお読み下さい)んですけどね)しさ。もう近寄りたくない人コンテストにナンバーワンエントリー、そのままぶっちぎり優 勝!くらいの危険人物レベルな雰囲気を醸し出してましたから。途中で出会った友人二名も、ドン引きの様相を暗示する笑顔で「……頑張ってね」って去ってい きました。

まあこの後も、結局重量オーバーで、軽くするために荷物開封しなきゃいけなくなったとか、再封するためのガムテープを買う為に近くのスーパーに走る羽目に なったりとか、下に敷いてた段ボールを捨てるために、素手で段ボール破いてる変な奴in街中になってたりとか、色々ありましたが、どれも今となっては良い 思い出です。「ああ素晴らしき青春の日々」とは、また違った意味合いですけどもね。

あ、最後になりましたが、無事に荷物は届きましたので。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第10話】


届かない荷物[前編]

日本に帰って二ヶ月目、ガスの有難みをひしひしと感じる今日この頃です(連載中に何度か書いてますが、寮にはガスがな かったので)。そんな中で、日に日に重みを増してゆく心配事が一つ。・・・・荷物着かないんだけども。

思い起こせば、あれは5月の終わり頃。後一週間で帰国って段になって、私は重い腰を上げてようやっと荷物の整理を始めた訳です。たとえ10ヶ月だろうが、 ある程度の設備が整っている寮に住んでようが、やっぱ生活してくに要る物は要るもんで。それは、あの50キロという快挙を成し遂げた私のトランクと鞄を もってしても、なお入りきらない大量の荷物に表れたんですよ。さてさて、いくら来年戻ってくるとは言え、やっぱり荷物は日本に持って帰らなきゃなりませ ん。トランクルームを借りるって手もあったんですが、冬物のコートやら何やら、一回日本でクリーニングに出したかったもんでね。やっぱ段ボールに詰めて送 るっきゃないっしょ、って結論に達したわけです。

しかし、いざ詰め始めてみると、これがどうしてなかなか手強い。結局一つの段ボールにまとめる事には成功したものの、もともと7キロしか入ってなかった段 ボール(スナック菓子の。それが一番見たなかで大きそうだったから、お店からもらって帰ってきました。余談ですが、お店から寮まで、その段ボールを小脇に ―まあ「小脇」っちゅう程の小ささでもなかったんですが―抱えて帰ってきたため、傍目には体を張ってスナック菓子の宣伝してる奴だったろうと思います)に 20キロ入れるという無理を強行しました。

その後、その20キロの段ボール箱を郵便局まで持ってくのが、これまた大変でしたね。まず箱の大きさ的に、両手に抱えて持っては行けないし、私の体力を考 えても、約1キロ先の郵便局に抱えて行くのは辛いってか無理。そもそも、これ程大きくて思い荷物をバスにすら乗せられるかどうか自信がないし、タクシーは 高いから駄目。そんなこんなの理由で、一時期はデッド・エンドってやつでした。さて、どうする私!驚きの解決法に乞うご期待!!(これで次回まで引っ張る 事が一番の驚きだよって話だけど)

アンパンマンあんパン

写真は帰国後東京に行ったとき、どうしても欲しくなって買ったアンパンマンあんパン。眉毛が下睫毛の位置まで来てる辺り、やはり只者じゃないですね。おい しかったです。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第9話】


あわや空港放浪記?!

6月始めに帰国しましたー。試験に受かっていたら9月にイギリスに戻るつもりなので、それまでは日本から、このコラムを書かせていただこうと思います。い やいや日本から書いてる時点で既に海外レポートじゃないよって話ですけどね。午後のお茶は緑茶ですし。

しかし、やっぱり生まれ育った国ってのはいいもんですねえ。

空港のチェックイン・カウンター(写真はオランダ・スキポール空港のもの)

そうそうそんで……帰りの空港では色々大変でした。いやはや100パーセント、私の準備不足、不注意及び手抜かりが招いたことなんですけれどね。実は今回 の帰国で、一人で飛行機に乗るんが初めてだったんですよ。そんでうっかりもいいトコですが、トランクとかの、飛行機の倉庫に預けるほうの大きい荷物の重量 制限を知らなかったんです。

「あーやっぱ重いよなあ。何キロくらいあるんだろ。一年生活するって重いんだなあ」
とか呑気に思いつつ、がらがら運んでたんですね。そんでいざチェックインの段になって、荷物をカウンタ横のベルトコンベアに乗せたら、
「重すぎます。これでは乗せられません」
って言われちゃいましたよ。

重いボストンバッグ

「預けられる荷物は、一人あたり30キロまでです。20キロ減らして戻ってきてください」
スチュワーデスさんの、あの呆れ顔は忘れられませんね。あんなにハードな仕事こなしても尚にこにこしてる人の…笑顔消しちゃったよ、オイ~みたいな感じで した。

しかし20キロ減らして下さいと言われて「はいそうですね。とっとと減らしてきます。10分後には戻ってくるんで…席よろしくお願いします」なんて言えま せんでした。いや席はもう取っといてくれてたんですけども。

そっから空港の片隅で、私の帰国を賭けた取捨選択が始まったわけです。19年間生きてきて、一番大きな選択だったと言えば過言になりますが、そんな感じで した。
しかし混んでてまっすぐ歩くことすら出来ないような空港内でトランク広げなきゃいけないわけですから、まず場所探すのにも一苦労。運よく場所は見つかった ものの、最初はかーなーりー恥ずかしかったですよ。そりゃトランク全開ですから。もう今クラスメイト通ったらどうしよう…とか思ってました。いやその確率 は結構低かったんですが。

28.2kg!(写真は合成)

しかし開始後3分くらいで、そんな気持ちは空の彼方へ放り投げました。下手すりゃマジで帰れないかもしれんのにそんなこと言ってる場合じゃないと気付き、 髪をふり乱し、悪態をつきまくって、何とかトランクを28キロまでにしました。
この行動のおかげで、私はいま日本から海外レポートを書くことが出来るわけです。あの時ああしなかったら、空港のベンチで荷物抱えて「空港放浪記」なんて 書いていたかもしれません。何か…そっちのほうが面白そうだけど。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第8話】


ヘンリー君

掃除機のヘンリー君

掃除機のヘンリー君。部屋をきれいにするのに欠かせない子です。ヘンリー君には放浪癖があり、よく指定の場所からいなくなって1週間経っても戻ってこな かったり(要は誰かが使ってそのまま返してないか、他の場所に放置されている)、帰って来たかと思えば別人になってたり(機種は同じだけどモノが違う)し ます。何故ヘンリーという名前であるのかは不明。黄色いジミー君も居た気がする。

そんでもってヘンリー君は、普段は共用キッチンにある大きな戸棚の中に入ってます。この戸棚には鍵がかかっているため、掃除機を使うには、いちいち受付ま で行って鍵を借りてこなければならず、非常に面倒くさかったり。しかも鍵合わない。いやいや、真面目な話。去年、掃除機を使おうと思って戸棚の鍵を借り て、戻ってきて差し込もうとすると、鍵と鍵穴の形が合わなかった。

そんなことがあったもので、しばらくは下の階の鍵を借りて、そこの掃除機を使ってたんですがね。どんなことにも抜け道はあるもので。この場合の抜け道は至 極単純で、まあその戸棚は鍵を開けなくても開くんです。何というか、引き戸2枚でドアが構成されていて、一方にしか鍵がかかってないもんで、もう一方の引 き戸(ただし取っ手なし)を手のひらとかで押しながら引けば開いちゃうんですよ。これが分かった時はかなり嬉しかった。しかし他の住人たちは、そんなこと はとっくに知っていたらしく、よくそっち側のドアが開けっぱなしになっていてヘンリー君がいない(笑)。

足跡

残されるべきでない場所に残された足跡(笑)。コンクリのタイルがひびやら何やらでがたがたしてたんで、この間からひびや穴を埋める工事が行われてたんで すがね。誰かうっかりだか意図的にだか、まだやわらかいコンクリを踏んだようで。

工事の意味がって言うか単純に穴の深さと大きさだけ考えればむしろ広がってる(笑)。しかしもう工事をやり直すわけにもいかないので、このまま ずっと残る模様。ハリウッドスターじゃないんだからさあ……。

Pages: Prev 1 2 3 4 5 6 Next