2014年度 六稜同窓会141周年総会のご報告

 2014年10月26日(日)、秋晴れの日和に恵まれ、六稜同窓会141周年の総会が母校の多目的ホールにおいて盛大に開催されました。昨年は140周年記念ということで中之島の中央公会堂で開催されましたので、ホームグラウンドとも言える母校に戻っての同窓会総会の開催は2年ぶりということになります。
 今年の幹事は95期生が担当させていただきました。私たち95期生は、伝統ある北野高校の歴史の中でも、空前にして絶後、受験者が募集定員に満たない、所謂「定員割れ」として、当時はちょっとした話題になったものでした。その95期の同期が約90名集まり、受付や誘導、会場設営など、様々な役割を分担して運営のお手伝いをさせていただきました。

【第一部 総会】
 午後1時、徳岡総務委員長の開会の辞の後に、恒例により在校生吹奏楽部の演奏が行われました。校歌「六稜の星のしるしを」に続き、「ド演歌エクスプレス」と題して、「兄弟仁義」、「津軽海峡冬景色」など、昭和を彩る懐メロメドレーが、そして最後はヨハンシュトラウスの「ラデッキー行進曲」が演奏され、華やかに総会のオープニングを飾りました。
 演奏の後、上田成之助同窓会会長からのご挨拶がありました。その中で上田会長は、昨年の140周年記念総会を経て、今回は150周年に向けての第一歩であると位置づけた上で、厳しい財政状況の中、同窓会運営の更なる効率化に取り組んでいることを紹介されるとともに、この春からはクラブOBOG委員会を立ち上げ、グラブに在籍した方の縦糸横糸のネットワークを活用し、同窓会活動をさらに盛り上げていく取組みを始めたことを紹介されました。
 次に、六稜同窓会名誉会長である原田恵子北野高等学校校長から、ご祝辞をいただきました。その中で原田校長は、本校が今年、文部科学省からスーパー・グローバル・ハイスクール(SGH)の指定を受けたことを紹介されました。そのSGHの取組みの中の課題発表において、本校生徒は、スーパーバルーン(風船)による高度3万メートルからの写真撮影に取組んでいたそうなのですが、その熱心さのあまり、校長先生としては、時にハラハラすることもあったそうです。こうしたエピソードも含め、生徒の皆さんが、今も本校の歴史と伝統を受け継いで、頑張っている様をお話いただきました。
 続いて、74期の笹川忠士事務局長より、この1年の同窓会の活動について報告が行われました。その中で笹川事務局長は、同窓会の厳しい財政状況の改善を図るべく、六稜会館の休館日を増やしたことや、館内照明のLED化等の取組みについて紹介されました。また、会館催事委員会によるトークリレー、広報委員会による会報作成、クラブOBOG委員会の発足、FR委員会による大学生就活支援活動、また、陸上、水泳、囲碁などの学校の部活動に対する激励金の贈呈など、活発な活動を行っている同窓会の現状についての報告も行われました。なお、本報告に対する質問等はありませんでした。
 総会の締めくくりは、恒例の、幹事期である95期同期生による卓話です。今年の卓話を担当しましたのは、大阪で高島クリニックを開業しておられる高島正広さんです。高島さんは、高校時代はテニス部で活躍され、現在、大阪府観光局の医療ツーリズム研究機関の代表として、各国との医療交流を推進しており、また、11月1日より、パスツール研究所の臨床免疫治療研究センター室長に就任されます。当日の卓話は「生き生き人生 ピンピンコロン」と題して、高齢化社会における予防医学の重要性を分かり易く説明してくれました。健康で豊かな老後を迎えるためにも、また、増え続ける医療費を抑制していくという観点からも、予防医学は極めて重要であり、そのためのアンチエイジング・抗加齢という概念を、具体的な例や数字などを示しながら話を進めてくれました。この総会出席者の皆さん方も、非常に興味をそそられたご様子で、この後も高島さんの周りには、常に人垣ができていました。
 卓話終了後は、95期の朝田さんからの花束贈呈があり、いつもは冷静な医師である高島ドクターも、照れることしきりでした。
 以上午後2時40分に、第一部総会は滞りなく終了しました。

【第二部 懇親会】
 第一部の総会の後は、場所を六稜会館に移し、雰囲気もガラッと変わって、皆様お楽しみの懇親会が、合計約200名の方の出席を得て、午後3時過ぎから盛大に開催されました。
 司会を担当してくれましたのは95期の池田貴彦さんと藤井武嗣さんのお二人です。二人ともこの日のために、皆さん方に少しでも喜んでもらおうと、様々な企画を考えてきました。
 懇親会の皮切りは、本日出席者の中の最高齢者、95歳の阿部源三郎さん(50期)の乾杯でした。阿部さんは乾杯のご挨拶の中で、こうして毎年最高齢で出席できることの喜びを謝するとともに、この会に出席し続けることが、こうして元気でいられることの秘訣であると、いつもながらのハリのある声で、高らかに乾杯のご発声をいただきました。
 しばらくの歓談の後、午後3時40分頃には、今年新たに六稜同窓会に加わったメンバーの紹介が行われました。この3月に卒業したのは126期生320名ということだそうですが、この中から、この日は7名が参加してくれました。慣れないこの場の雰囲気に呑まれながらも、それぞれ一人ひとりが思いを述べてくれました。若い力でこれからの六稜同窓会を盛り上げていってもらいたいものです。大いに期待しましょう。
 さて、この後は皆様お楽しみの抽選会の時間です。司会の二人が様々な趣向を凝らしてくれました。特に圧巻だったのは、賞品のプレゼンターとして、「タンバリンズ」の3人組が登場したことです。もちろん、彼女たちは95期の同期生の有志(徂徠千代子さん、朝田由佳さん、萩森由佳さん)です。抽選会のスタートに先立ち、この3人により、加齢な、いや、華麗なタンバリンさばきの「舞」が披露されました。皆この日のために、指に「タンバリンだこ」ができるくらい練習を重ねてきましたが、その甲斐もあって息はピッタリ、最後のドヤ顔までがキマッてました。また、彼女たちが心を込めて渡してくれる賞品も、意外性のある(つまり、自分のお金なら、まず買わないだろうと思われる)各種ギフト券でした。一例を言えば、「あの日に帰りたい賞」として「エステのギフト券」や、「第二の人生を新天地で賞」として、「月の土地権利書」など様々。度肝を抜くプレゼンターから、次々に披露される奇抜な賞品に、参加者の方々も、大いに盛り上がり、楽しんでいただけたことと思います。
 抽選会で盛り上がった後は、来年度の同窓会を仕切っていただく96期の皆さんの紹介を行い、来年に向けた熱い思いと抱負を述べてもらいました。今年もうすでに12名の方が参加されているということで、われわれ95期を凌ぐ、素晴らしい同窓会にしていただけることと楽しみにしております。
 懇親会も大詰めを迎え、90期の応援団の増田昭雄さんのエールに合わせて、校歌を斉唱しました。来賓の皆様、大先輩の皆様も立ち上がって、参加者全員で声を合わせ、宴の締めを飾る大合唱となりました。
 最後は、六稜同窓会野村正朗副会長(82期)からご挨拶を頂戴しました。野村副会長は、この141周年総会・懇親会が盛会のうちに終了できたことに対して出席者各位に感謝の意を述べるとともに、次回142周年もこの場の皆さんが、またこの場に集うことができるよう会場に向けて力強く呼びかけられて、午後4時20分に、懇親会はお開きとなりました。
 歴史と伝統のある本校におきまして、同窓会総会の運営を担当するというのはある意味気を遣う、骨の折れることであることは否めません。しかし、私たちは本校の卒業生であることに誇りを持っていますし、また、本校の卒業生でよかった、と思うことを、幾つも経験してきました。
 その母校に対して50歳を迎えた節目の年、社会の中核として公私に亘り最も活躍している、そんな年に同窓会総会の運営を手伝わせていただけるというのは光栄なことであり、改めて同期の結束を固めることができたことに、今は感謝しています。
 今後も、歴史と伝統の重さを踏まえながらも、変えるべきものは変えていく、守るべきものは大切に守っていく、そうした勇気と気概を持ちながら、先輩方から渡されたバトンを確実に後輩に引き継いでいくことを心掛けたいと思っています。
 最後に、至らないわれわれを見て、内心ハラハラしていたのではないかと思われる、六稜同窓会事務局の皆様方に心からのお礼を申し上げて、六稜同窓会141周年総会のご報告とさせていただきます。

<95期 松本 幸久>