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10月30日 2011年度 六稜同窓会138周年総会のご報告

2011年10月30日(日曜日)、時折、小雨が降ったりやんだりのあいにくの空模様の下、母校の多目的ホールで、「六稜同窓会138周年総会」が開催され、284名の同窓生が参加しました。今年、当番として幹事を務める92期は同期生の3割近い人数の129名が参加し、受付や案内、警備、記録、医療などの役割を分担しました。

【第1部 総会】
午後1時、司会の富田昌宏総務委員長(78期)の紹介を受けて、そろいの紺色のTシャツに身を包んだ在校生・吹奏楽部の演奏で総会は幕を開けました。1曲目は楽しく軽やかな「ユーロビート・ディズニーメドレー」、2曲目は顧問の佐々木信明先生の指揮による「マゼランの未知なる大陸への挑戦」です。勇壮なメロディが会場を包みました。
冒頭のご挨拶で山本雅弘会長(71期)は「本校は他校に比べ、同窓会活動が非常に活発です。“よってたかって状態を作る”という方針のもと、さらに組織を充実させようということで、従来は月、水、金に開いていた事務局を今年4月からは、月曜日から金曜日までの毎日オープンにしました。また、学年理事にはいずれかの委員会に所属してもらうようにして、みんなの力で、大きな形になるように運営しています。実生活とは少し離れたところで、これからの人生の糧になるような同窓会活動を目指しています。また、在校生の支援も大きな柱であり、これからも在校生が文武両道に長けた活躍ができるように、FR(フレッシュ六稜)委員会などを通じて支えて行きたいと考えています」と話されました。
また、名誉会長の楠野宣孝校長は「本年4月に着任しましたが、府立高校のリーダーとして『伝統と実力を誇る北野高校』を実感しています。最近も、陸上部の女子生徒が国体に出場して100メートルハードルで全国9位に入ったほか、『科学の甲子園』大阪府予選で優勝し、来年3月の全国大会出場を決めるなど、文武両道を実践しています。同窓会におかれましても、在校生への励まし、ご支援をお願いします」と祝辞を述べられました。
笹川忠士事務局長(74期)からは同窓会の最近の活動が紹介され、トークリレーの実施状況や、東日本大震災の募金を行い127万1000円を寄付したこと、手塚治虫さんの同期の林久男さん(59期)から、手塚さんと一緒に制作された自筆の本10冊を寄贈して頂き、会館地下ギャラリーで展示していることなどが報告されました。
会場から「同窓会費を5年間、納めていない人には会報を送らないようにしたそうだが、そうすると亡くなった時に連絡が来ないのではないか?」との意見が出され、事務局長から「この方針は昨年6月の理事会で決めたが、その結果、会費の増収に結びつきました。ただ、反対のご意見もあるので、理事会で検討を続けてまいります」との答えがありました。
続いての卓話は、幹事当番年度の92期から東京大学法学部教授の石川健治さんの登場です。「現代憲法学の鬼才」とも呼ばれ、著作の難解さや授業時間の長さでも知られる新進気鋭の憲法学者です。
石川さんはまず、高校時代の思い出話で会場の笑いをとります。子どもの頃、お父さんのお勤めの関係で転校を繰り返したため、「人生は旅である」を実感してきたとのこと。旅と言えば「舟」。そこで「舟のメタファー」というテーマで話したい、ということで本題に入ります。「ガバナンス」の語源はラテン語の「gubernare」。「舟を操る」という意味だそうです。つまり、テーマは政治、政府のお話です。
「日本の政治はなぜ短命政権が続くのか?それは憲法の構造がそうなっているからである。」現実の政治状況と、憲法に込められた政治観念との関係について、時折、黒板にキーワードを記しながら、話が展開していきます。結構、難解な話ではあるのですが、やわらかい語り口で会場を引きつけて、あっと言う間の1時間でした。
同窓会総会でこのテーマで話すことを決めてから、「予行演習」として大学で講義してみたら、3カ月かかったとのこと。それを1時間にまとめるのに結構、苦労されたようでした。
講演終了後、今回92期の大量動員を成し遂げた、最大の功労者・新田周子さんから石川さんに花束が贈られ、会場は大きな拍手に包まれました。
ところで、石川さんは高校の「政治・経済」の教科書(三省堂)も執筆しているのですが、残念ながら、その教科書は北野高校では使われていません。そんな話もしたかったそうですが、「時間が足らなくて・・」と残念がっていました。

【第2部 懇親会】
総会に続き、午後3時過ぎからは六稜会館3階のホールで「138周年懇親会及び123期歓迎会」が開かれ、300名が参加しました。司会は92期の永田真悟さんと西良里香さん。永田さんは首に大きな蝶ネクタイをつけての登場です。
参加者中の最高齢者、93歳の谷本義雄さん(49期)のお元気な「乾杯!」のご発声で、懇親会は和やかに始まりました。
さて、しばし歓談後、ある録音テープが会場に流されました。当番幹事の92期が高校2年生の時、田中和之君らが呼びかけ、毎日放送ラジオの「ヤングタウン」(通称ヤンタン)にみんなでリクエスト葉書を出し、なんと北野高校校歌が並みいる歌謡曲を蹴落として見事1位になり、実際にオンエアされました。その時の放送の録音テープが最近になって見つかったのです。懐かしい思い出とともに、高校生の頃のイタズラ心と遊び心を呼び醒まされる思いでした。
続いて、2011年3月卒業の新しい同窓会会員の123期の18人が壇上に。代表して笹倉康平さんが「楽しいパーティにしたいので、よろしくお願いします」と挨拶しました。
さていよいよ、恒例の福引抽選会です。今年の1等は「ハワイ旅行・・・の足しにして頂く商品券2万円」ということで、なんと同窓会総務委員長の富田昌宏さん(78期)に当たりました。2等以下も様々な年代の皆様に当たり、会場は大いに盛り上がりました。
なお、今年は参加者全員への記念品の配布を取りやめ、その相当額の5万円を東日本大震災の義援金として寄付することとし、会場の拍手でご了承を頂きました。
次回幹事は93期の皆さんです。高田義弘さんら23名が壇上にあがり、「今年の幹事の92期の動員力に負けずに、来年は今年以上に素晴らしい同窓会にします。乞うご期待下さい」と力強く決意を語りました。
最後に応援団OBの矢野茂樹さん(92期)の指揮で、校歌の1、2、5番を皆で斉唱。力強い掛け声と歌声が会場に響き渡りました。そして、上田成之助副会長(80期)の「また来年の10月にお会いできることを楽しみに」との閉会の辞に続き、「フレー!フレー!北野!」の2本締めで、懇親会は終了しました。

(92期 安田卓生)