2025年6月18日 第270回 東京六稜倶楽部講演会
●講師: 柘植 尚則(つげ ひさのり)さん 95期
●肩書き:慶應義塾大学大学院文学研究科教授
●講演タイトル:
「利己と利他 ―イギリス・中国・日本―」
●講演要旨:
このところ、他人の利益をめざす「利他」がブームになっています。利他がブームになるのはもちろんいいことですが、それは、自分の利益をめざす「利己」が当たり前になっているということでもあります。では、利己と利他はどのような関係にあるのでしょうか。そもそも、人間は生まれつき利己的なのでしょうか、それとも、利他的なのでしょうか。古今東西の思想家たちはこうした問いについて考えてきました。講演では、利己と利他の関係や人間の本性について、近代のイギリス、古代の中国、平安~江戸時代の日本の思想家たちがどのように考えてきたかを紹介したいと思います。
●略歴(プロフィール):
大阪府生まれ。北野高校卒業(95期)、神戸大学文学部卒業、大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、北海学園大学経済学部講師、慶應義塾大学文学部助教授などを経て、現在、慶應義塾大学大学院文学研究科教授。専門は倫理学・思想史、特に近代イギリスのモラリストたちの思想について研究している。著書に『イギリスのモラリストたち』『プレップ倫理学』『プレップ経済倫理学』『近代イギリス倫理思想史』など。