【第196回】4月「碑(いしぶみ)が語る淀川物語」

4月17日開催予定

 

竹林征三さん@74期(富士常葉大学名誉教授・工学博士・技術士)

1943年 兵庫県生まれ
1969年 京都大学大学院工学研究科修士修了
1969~1997年 建設省に勤務
1996年 工学博士(京都大学)
1997~2000年 土木研究センター 風土工学研究所長
2000~2010年 富士常葉大学環境防災学部教授・付属風土工学研究所長
2010年 富士常葉大学名誉教授
2011年 風土工学デザイン研究所理事長
2012年 山口大学時間学研究所客員教授(2013年まで)
2018年 風土工学デザイン研究所会長(現在に至る)

■主な著書
「風土工学序説」「風土工学の視座」「ダムのはなし」「環境防災学」「ダムと堤防」「風土千年・復興論」その他多数。
新しい工学体系として「風土工学」及び「環境防災学」を構築し、その普及啓発につとめている。

■主な受賞
1993年 建設大臣研究功績表彰
1998年 科学技術庁長官賞
1998年 前田工学賞 優秀博士論文賞
2003年 国土交通大臣 功労者表彰
2013年 富士学会功労者表彰
2014年 瑞宝小綬章
2015年 日本水大賞 特別賞

 

≪講演内容≫

◎はじめに・・・・・「先を読む」とは過去の歴史を深く知り学ぶこと
・歴史より伝説(歴史は勝者が自分たちを正当化する書き物・敗者は歴史を残せないので伝説で伝えた)。紙より石(後世の人々に決して忘れるなとの強い伝言)。
・石碑は難解な漢文・篆刻・異体字等読める一部の知識人のみに伝えたもの。

〇日本文明は淀川の賜物。都は大陸からの外敵からの守り。三つの狭窄部。・難宗寺明治大帝聖蹟碑・澪標住吉神社・高浜楠葉砲台跡碑

〇日本最古の治水遺跡。茨田の堤。強首・衫子の伝説。人柱伝説・衫子絶間跡碑・茨田堤碑・長柄人柱巌氏碑・雉子畷碑・九島院龍渓禅師碑

〇秦河勝終焉之地碑・・帰化人の影・見え隠れ・・・百済王・博士王仁碑

〇日本一の五輪塔・木津惣墓・供養阿弥陀仏・石地蔵、天井川宿命・マンボ最多。南山城洪水記念碑群(十以上)

〇悲惨壮烈な義民の歴史・悪代官と善代官
さいの木神社の3義人(山口村西村六右衛門・大道村沢田久左衛門・新屋村一柳太郎兵衛)・今井久左衛門碑・喜左衛門碑(南寺方村)・弥治右エ門碑(藤田村)・千種庄右衛門大人碑・上庄南之口樋跡(五兵衛)・松野登十郎墓碑

〇洪水の歴史は態と切りの歴史・・・・河内十六カ所戦い・日本最古の水攻め・明治伊加賀切れ碑・大正6年大塚切れ碑・網島水防碑・澱河洪水記念碑(桜宮神社)・疏河紀恩之碑(海老江)・修提碑(高槻)・明治戊辰唐崎築堤碑・明治十八季大洪水碑・徳庵提碑

〇格調高き海嘯・石碑群・大津波・高潮の歴史
擁護爾・両川口津波記の碑・諸国地震津波水陸横死大菩提・津波溺死者供養碑、重修横堤碑(春日出)・舎利寺津波碑・浸水深を伝える八紘一宇碑・大阪教育塔・九条小学校・十輪院殉難学童地蔵

〇大橋房太郎頌徳碑・治水翁碑・・・四条畷神社・六郷修堤碑・寝屋川改修記念碑・植場平翁銅像・木下直三郎碑

〇治水に殉じた責任者・大越亨知事の碑・長澤忠志上碑・沖野忠雄の淀川改修紀功碑

〇禹王の活躍・仲源寺の眼疾地蔵・・夏大禹聖王碑。・島道悦墓碑(十三・木川墓地・禹鑿之手)。禹王碑の宝庫

〇先人の知恵を集めて。輪中の歴史・畷碑・段蔵・島利兵衛甘藷碑・桂離宮と平等院・生根神社「だいがく」・寺方提灯踊り・諏訪神社の花踊り。

地名に刻された歴史・災いの歴史・渇水と空襲

◎おわりに。・これまでなかった巨大災害の頻発・「風土工学」と「環境防災学」の視座と展開が求められている。風土に刻された九難の災害の宿命に耳を傾けよう。

◎参考文献・『物語日本の治水史』世にも不思議な技術の歴史。鹿島出版会。竹林征三

◎日刊建設工業新聞『明治維新150年と治水の歴史』平成30年3月~毎週連載46回