第30回    「カリブ海から世界を見る」  谷川達夫さん@75期

reporter:峯 和男(65期)

    日時: 2005年6月15日(水)11時30分~14時
    場所: 銀座ライオン7丁目店6階
    出席者: 61名(内65会会員:江原、正林、山根、峯)
    講師: 立命館大学講師、愛知県企業庁アドバイザー谷川 達夫氏(75期)
    演題: 「カリブ海から世界を見る」
    講師紹介: 75期卒。一橋大学社会学部卒業後住友商事入社。自動車関連業務一筋の商社勤務を終え現在は立命館大学講師及び愛知県企業庁のアドバイザーとして企業誘致などに尽力中。
    講演内容:
    (要点のみ)
    (1)自分は2つの高校を経験している。最初は名古屋の旭ヶ丘高校(旧愛知一中)、2年の時北野へ転校した。旭ヶ丘は非常にバンカラで特に女子学生が凄 かった。1年しか在籍しなかったが、旭ヶ丘の卒業生と同等の扱いで同窓会にも出させてもらっている。立命館大学に関係しているのは同大学APUの副学長が 北野の同期生という縁から。現在、授業のある日は東京から日帰りしている。

    (2)先日事故のあったJR西日本の垣内社長は北野の同期生。75期は70人位のメル友の会が出来ており、彼も含め活発な交信をしていたが、このような状況で普通のメールは彼に届かない。非常に気の毒な状況で我々も気分が落ち込んでいる。

    (3)自分は中近東のイラン、サウジアラビアにも駐在し、イランではイラン革命に出合った。4年間イスラム教徒的生活もしたのでこれまで中近東の話をする ことが多かった。ここでイラクの話をしても皆さん食傷していると思われるので今回はカリブ海の話にした。3月に、青木元ペルー大使が講演したが、あの事件 の時自分はコロンビアに駐在しており隣の国からはらはらしながら事件の推移を見守っていた。

    (4)昨年末インド洋の大津波があり多数の外国人が被害にあった。非常に大きなリゾートなので観光客が多く、そのために外国人被害者の数も多くなったと思 われる。カリブ海はハリケーンはあるが、あのように多数の人が災難に会うことは先ず無い。極めて静かなリゾートと言える。

    (5)自分が中南米で最初に駐在したのはプエルトリコ。プエルトリコといっても何処にあるか判らない人が多いが、キューバの隣の隣と言うと日本の人にも判 る。プエルトリコはアメリカの自治領であり面積は日本の四国の約半分。人口は3百万人であるがアメリカへ百万人位出稼ぎに行っている。

    (6)カリブ海のキーワードは、「クルーズ」、「要塞」、「きれいなビーチ」である。スペインが作った要塞は全く同じタイプの見張り台で、あちこちにある。このようなリゾートへも業務上の必要から行っただけで、いずれ自分の金でゆっくり行きたいと思っている。

    (7)プエルトリコへは2回駐在したが一回目と二回目でいろいろ違っていた。1970年代後半の一回目は昼食時からアルコールを飲み、12月初めから1月 7日頃迄、毎晩クリスマスや新年のパーティをやっていたが、それから10数年後の二回目の時は、昼食時はミネラルウォーターのペリエやライトビールなどを 飲みパーティも12月中旬頃からになっていた。ショッピングセンターも出来小切手やクレジットカードが使われるようになっていた。プエルトリコには美人が 多く、毎年ミスユニバース・コンテストのトップから3~4位に入っている。スペイン系の他いろいろな人種の混血が美人を生んでいるのであろう。

    (8)通常のカリブ海クルーズは、約一週間、プエルトリコを起点に毎日島を一つずつ回って帰るが、本当に素晴らしい島はもう少し先にある。セントジョー ン、セントバーツなどである。「石油プラントが無い」「セキュリティが良い」などはリゾートの必要条件であるが、カリブ海はこの条件を満たしており、ダイ アナ妃のハネムーンの場所となったことでもその素晴らしさは証明されている。米国人にとっては避寒地として人気があり、空路2~3時間でTシャツスタイル の生活が出来るのでリピート訪問が多い。

    (9)飛行場は一日500便の離着陸があり、小さな島への移動は13~28人乗りの飛行機が利用されている。米国からは、マイアミを飛び立ち5分位で キューバが見える。海の色はカリビアンブルーで少し白っぽく本当に綺麗な色である。クルーズの船は多い時は12隻位入って来る。買い物は全て免税扱いで、 米国人は通常の免税範囲は200~300ドルであるがここからの帰国者は800~1000ドルまで入管で税金をかけられない。

    (10)セントトーマス島からモーターボートで約20分行くとセントジョーンという人口2千人位の島へ着くが、ここが究極のリゾートと云われる島で、ビー チは全て豪華ホテルのプライベートビーチであり、本当に素晴らしい。世界の10大ビーチのいくつかはここにあるという人もいる。カリブ海の島々を「宝石箱 をひっくり返したような島々」と形容する人もいる。

    (11)キューバは、米国とは国交が無いが欧州、中南米各国とは全て国交がある。従ってマイアミからは入れずメキシコその他のルートから入ることになる。 欧州各国からも直行便が入っている。キューバは、ヘミングウェイとカストロが仲が良いということを売りにしている。キューバにはグアンタナモ基地というの があるが、米国がアフガニスタンなどで捕えたアルカイダをこの基地に収容していると云われている。米国がキューバと国交を回復したら米国人が大挙して キューバに遊びに行くことは先ず間違いない。キューバはそれくらい素晴らしい観光地である。なお、キューバとプエルトリコの国旗は非常によく似ている。

    【報告者注】講演は、パソコン使用により美しい映像をスクリーンに映写しながらの説明であったが、このような内容の講演においては映像の有無が出席者にかなり違った印象を与えるであろう。