第2回 「癌と免疫」 奥村康氏(73期)

reporter:峯 和男(65期)

    日時: 2003年2月19日(水)11時30分~14時
    場所: 銀座ライオン7丁目店6階
    出席者: 91名(内65会メンバー 5名)
    講師及び演題: 前回に続き、順天堂大学 奥村教授(73期)より 「癌と免疫」の演題で講話
    講演内容:
    (要点のみ)
    (1)前回の講演以来いろいろな方からご連絡を頂いたり、訪問を受けたりした。誠に有り難いことと思っている。自分がお役に立てるのは、良い医者を紹介出来ること(特に東京近辺)なので、必要な場合にはご連絡頂ければと思う。(2)現在“医療特区”を提案している。患者のニーズに対応した治療が出来るようになればと思う。日本の医療水準は、下のレベルは高いが、先端レベルは必ずしも高くない。

    (3)インフルエンザ: インフルエンザが流行っているが、2月下旬には免疫抗体が出来るので 流行は去る。インフルエンザウィルスのように小さい菌には良いワクチンが出来るが水虫のように比較的大きな菌に対してはなかなか良いワクチンは出来ない。 インフルエンザと風邪は全く異なる。通常、風邪で死ぬことはないが インフルエンザは死亡するし、神経症状も出る。 しかし、ワクチン注射により、かかっても軽症で済ませられるし、効果も4~5年続くこともあるので予防注射をしておかれれば良いと思う。

    (4)脳神経: 脳神経細胞は18歳頃は200億個あるが、毎日20万個減っていく。 しかし、外から刺激を与えることにより数が減る程悪くはならない。

    (5)花粉症: 免疫は精神、神経の影響が大きい。花粉症も気合の入っている人は ならない。自宅の近所に刑務所があり、死刑囚や無期懲役囚が入っているが花粉症はいない。看守には花粉症がいる。また、国会議員で元氣の良い議員には花粉症はいない。アドレナリンの出る人はならない。

    (6)アトピー性皮膚炎: 乳児用石鹸で肌をこすってきれいにしすぎるため表皮の膜を落としてしまい、ここから細菌が入り皮膚炎になる。なるべく石鹸を使わず、ほどほどにしておけば皮膚炎にはならない。

    (7)癌と免疫: 癌の遺伝子が出来るまでには時間がかかるので、長生きしないと癌は出来ない。蚊や蝿には癌は出来ないし、インドやアフリカなどでは癌になる前に死亡する人が多いので癌の研究施設などはあまり必要でない。 癌細胞は毎日6,000個出来るが、ある種の免疫を強くしておくと癌にはならない。NK細胞(Natural Killer 細胞)を増やせば癌にはならない。 悲しいストレスが続くとNK細胞は弱まる。適度な運動、気功、 よく笑うことなどはほんの一例。また、腸内の悪玉菌であるウェルシュ菌を減らすにはヨーグルト、ヤクルトなどを飲むと効果がある。