運河のオランダ語は?(その1) | Vanaf vaart water 運河の上から【第2回】

2012年3月25日

 

アムステルダムに最近住み始めた友人に、「運河ってvaartじゃなくてgrachtなんじゃないの?」と質問されました。そうなんです。実は運河(=人工水路)にはオランダ語ではいくつかの種類があり、それぞれ呼び名が違うのです。grachtであり、vaartであり、さらにはsingelgrachtであり、kanaalであり、さらにslootという呼び方もあります。

今回は、未だにオランダ語が喋れないワタシが、大胆にもオランダ語を紹介してしまいます(笑)。

【gracht (グラヒト)】

オランダへの観光客に一番よく知られている、アムステルダムの街中にあるような運河です。アムステルダムほど多くはありませんが、アルクマールにもgrachtがあります。アムステルダムにせよアルクマールにせよ、海面より低い土地を干拓して造った街です。その上に建物を建てると、地下水が滲み出てきます。そんな地下水を効率よく排水するために必要なのが、grachtです。

アルクマールのgracht。 中央奥が有名なチーズ計量所

アルクマールのgracht。運河に映える景色が美しいです

チーズ計量所近くのgracht 沿いにあるアイスクリーム屋さん(左の店)。右の木の根元にある鐘を鳴らせば注文を聞きに来てくれ、ボート遊びの人はボートを降りずにアイスが買えます

アルクマールのgrachtでカヌーを漕ぐ人、というか、ワタシ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【singel(シンゲル)、またはsingelgracht(シンゲルグラヒト)】

16~19世紀には、オランダの都市は周囲に濠を巡らして守られていました。日本で言うと、織田信長に屈服するまでの堺の街が似た様なイメージです。この都市防衛用だった濠は、singel(シンゲル)、またはsingelgracht と呼ばれています。アムステルダムで当初 singel と名付けられた運河は、観光客で賑わうムント広場近くの花市場に面する運河ですが、都会の街並みに埋没して、他のgrachtとほとんど区別がつきません。一方、アルクマールの singel 沿いには、防衛陣地だった内側には家は建っておらず、砲台を置いたり兵を展開したりできるスペースが残っている光景が見られます。かつて農地だった外側は、普通に開発が進んで、住宅などが立ち並んでいます。

左側が旧都市部、右側が外側の元・農地です。左側は水辺から住宅まで距離があって、公園のようになっています。右側はすぐに道路があって、駐車車両と住宅が立ち並んでます(2枚の写真を簡易パノラマ合成しました。日向を撮った写真と日陰を撮った写真の色合い調整は難しいです(>_<)

左側が元・農地の現・住宅街、右側が旧都市部です。右側の水辺は元・防塁だったので、少し小高くなっています。中央奥に見える風車は、左の写真の風車と同じものを、反対側から撮ったものです

前回掲載した、運河の上でスケートをする様子を撮ったのも、singelです。風車の周りの小高くなった辺りに、砲台を配置したり狙撃兵を配備したりしたようです

アルクマール第一の名門中等学校(6年制)Murmellius Gymnasium(左の塔のある建物)も、singelのすぐ外側にあります。

続きは次回に

連載タイトルのvaart、それから、kanaal、slootについては、次回ご紹介しましょう。それではまた。

2012年3月25日
小松雄爾(97期)@オランダ・アルクマール在住(ブログ)