午後の紅茶はダージリン〜杏の英国修行日記【第26話】 初めに戻る つぎ

お兄さんと一緒



▲寮付近。コンビニも近いです

長かった夏休みも明けて、新学期が始まりました。私もついに最終学年、早いものですね。バイトに勉強に就活に、頑張っていきたいと思います。


▲ 部屋の窓から
緑が多いのは良い事ですが、虫が・・・・。夜は窓を開けられません。
大学は、9月21日から始まりました。最初の一週間は授業がないのですが、生活環境を整えることや、授業の準備で、何かと慌ただしく過ぎていきました。今回の寮は、3年生と院生、交換留学生しか住むことのできない寮です。1年生の時から、「3年生になったら、ここに住みたい!」と憧れていた寮なので、幸せいっぱい、夢いっぱいです。今のところ、聞いていた通りに、静かで良い所です。


さてさて、ここで、お約束の失敗談を一つ。
それは、イギリスに着いた日のことでした。夜10時をすぎて大学に到着し、寮へのチェックインを済ませたあとの話です。

私の寮は、周りに似たような建物が幾つも並んでいます。そのため、初めて行く時、まして夜ともなれば、案内なしでは、なかなかたどり着けません。そこで、警備のお兄さんが、案内してくれることになりました。
「本当は車に乗せてあげたいのだけど、規則だからね」
と、申し訳なさそうに、私が歩く横を、車でゆっくり付いてきてくれました。
程なく、寮に着きました。忙しそうだったので、そこで帰るのかと思いきや、
「部屋に入るまで、ここで待ってるよ」
〔何ていい人なんだ・・・・。〕
あんまり、このお兄さんを待たせてもいけない。鍵を探します。
〔あれ、ない。こっちのポケットだったかな?〕
〔やっぱり、ない。まさか、落とした?〕
「懐中電灯を持ってくるから、そこで待ってて」
〔どうしてそんなにいい人なんですか。〕

その時、お兄さんのトランシーバーに、連絡が入りました。
『さっきの女の子、鍵をフロントに忘れてるよ』
・・・・・沈黙。
「・・・・鍵、とってきてあげるから、ちょっと待っててね」
〔だから、どうしてそんなにいい人なんですか!!〕
〔そして、馬鹿でごめんなさい!!〕

お兄さんのおかげで、無事、部屋に入ることができました。
お礼を言うと、
「上司にメールしてくれたらいいよ。昇進するかも」
と、いたずらっぽく笑いました。
上司のメールアドレスは見つけられなかったけど、ここで改めて、ありがとう。って、これ、読んでないよね。



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Last Update: Oct.1,2009