午後の紅茶はダージリン〜杏の英国修行日記【第25話】 初めに戻る つぎ

大学のこと



▲ ベッドフォード図書館
私にはあまり縁のない場所ですが、3つある図書館のうち、一番新しいものです。
昨年の夏に内部が一部改装されたのですが、学生たちには「無駄!」「勉強する場所じゃなくなった」など、
なかなか不満の多い改装となりました。


学年末試験も終了し、あとは結果待ちとなりました。
最終的に、勉強計画表は鼻紙になり、コピーした過去問は、「コピーした」という事実の確認、また、いつでも見られるという安心感を発するライナスの毛布と化しました。結果発表は七月なので、それまでは、ちょっとドキドキです。

特に、こちらの大学の制度で、一年生の成績は卒業する時の最終成績には入らず、二年生での成績と、三年生での成績が、1:2の割合で加算されます。
去年は、「とりあえず進級できればいいや」だったのですが、今年からは、卒業後のためにも、出来るだけ良い成績で進級したいところ。
まぁしかし、あとは野となれ山となれ、です。

試験のため、今月はネタがないなぁ・・・・と思っていたところ、ワタクシ、非常に大きなトピックを見逃していたことに気がつきました。
肝心の、大学や、寮についての説明をしていませんでしたね。寮については、第7話と第8話で洗濯と掃除機という、いきなりミクロな視点での紹介があったくらいで。というわけで今回は、大学の基本情報です。


▲ ファウンダーズを正面から
第一話に同じ写真がある?気のせいでしょう。
UFP時代から数えて、今年でイギリス生活も三年目です。
私は、最初の二年間は、ファウンダーズという、ロイヤル・ホロウェイの顔、といった感じの建物に住んでいました。

右の写真の建物は、実業家のトーマス・ホロウェイ氏と、その妻ジェーンによって、女性のための教育機関として1886年に建てられたものです。女性教育の発展に貢献した二人の像は、中庭の真ん中に飾られています。

現在のロイヤル・ホロウェイ大学は、
正式名称をRoyal Holloway and Bedford New Collegeといいます。


▲ ホロウェイ夫妻の像
三角コーンは、もちろん誰かのいたずらですが、いい仕事してると思いませんか?
Royal Hollowayというのは、ホロウェイ夫妻が設立したものですが、実は彼らの20年ほど前に、ある人物が、イギリス初の女性のための教育機関を発足しました。それが、エリザベス・リードの設立したBedford Collegeです。

ロンドンに建てられたBedford Collegeは、1985年にRoyal Hollowayと統合し、現在に至ります。
エリザベス・リードの像は、私の知る限り存在しませんが、彼女の名字は、学内にある寮の一つ、リード寮として残っています。
また、しばしば大学名から略されることもあるBedford は(だって正式名称長いんだもん)、理系の資料がおいてある、ベッドフォード図書館にその名を冠しています。


どちらの教育機関も、女性の教育に重点をおいていたことと関係があるのかどうかは分かりませんが、私の大学は、女子学生の方が男子学生よりも多いのです。
私の通う演劇学部などは、女子:男子=10:1、くらいでしょうか。音楽学部は少し男子学生が増えますが、それでも、せいぜい9:1くらいのものです。

6月はじめに帰国するので、今はパッキングなどでバタバタしています。
去年の経験を、今年に活かすぞー。



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Last Update: May. 30,2009