市議会議員選挙に投票した思い出(その4)【第15回】

2022年12月30日

前回の投稿でお気づきの方もいらっしゃったと思いますが、このときの投票日が水曜日だったように、オランダの選挙の投票日はいつも平日に設定されています。日本に住んでいると、日曜日以外の投票日はあまり想像できないかも知れませんが、ニュースで報じられるアメリカ大統領選挙の投票日が火曜日であることに気付いておられる方も中にはいらっしゃるでしょう。投票日が平日だと、ただでさえ高くない投票率がさらに低くなりそうで心配ですよね。平日投票のオランダでの投票率は、地方議会では55%ほどですが、下院議員の総選挙ではたいてい75%以上あるようで、今のところ低投票率に悩んでいる雰囲気はなさそうです。なお、他の国ではイギリスの総選挙も平日投票日ですが、ドイツ・フランスは日曜日のようです。

 

自宅近くのVrijheid(=自由)教会。プロテスタントの一宗派。投票日が平日なので学校を投票所にするわけにはいかないのでしょう。一方で教会なら日曜日が投票日だと使えませんね。

投票の日、ワタシはいつもどおり退勤し帰宅、家族と夕食を食べながら選挙の話が話題になりました。妻は昼間に既に投票を済ませたというので、午後7時半ごろ、自宅最寄りの投票所である教会に赴きました。教会といっても写真のように全然厳かな造りではなく、公民館のような感じですね。投票に使うスペースも小ぢんまりしていて、写真中央のドアから入って右側の玄関ホールだけで事足りました。

 

選挙スタッフは4人で、一人めは投票所入場券と身分証をチェックする人、二人めは投票用紙を渡してくれる人、あとの二人は立会人あるいは投票箱を監視している人でした。投票所では、ワタシの前には2人ほど並んでいて、ワタシが投票して帰るときには5-6人が並んでいました。どうやら混んでない場所あるいは時間帯だったようです。

 

Wikipeidaに載っていた投票用紙。ワタシの投票所で使っていたものと同一ではありませんが、ほぼこれと同じ形式でした。

投票用紙は30cm x 10cm ぐらいの短冊形で、4つに折ってあるのを広げるとA2ぐらいの大きさ(30cm x 85cmぐらい)になりました。ワタシは写真に撮りませんでしたが、Wikipediaに2014年の地方選挙の投票用紙の写真が掲載されていたのでリンクします。

 

さて、この投票用紙、日本では見慣れないスタイルですね。日本ではご存知のように、候補者や政党の名前を自分で記入する方式ですが、オランダでは投票用紙に全候補者の名前が印刷されていて、自分が投票したい候補者名の横の四角を赤鉛筆で塗りつぶす方式です。縦の列がその候補者の所属する政党で、各政党が候補者名がそれぞれリストアップされています。塗り終わったら元のように4つに折って投票箱に投入します。

 

さらに日本と違うところは、市議会選挙も比例代表であることです。日本では、衆参両議院でしか採用されていない比例代表制ですが、オランダでは、全ての議会が全議席比例代表制で選ばれます。

 

次回に続きます。

2022年12月30日
オランダ・アルクマールにて
小松雄爾