われら六稜人【第35回】博物館を一代で築いた男

第6営業部
郷土の誇りを胸に

    僕自身は現在、兵庫県民なんですが、京都と大阪を比べるとどうしても大阪のほうが文化を粗末にする傾向が強いようです。
    どうしてでしょうかね。やはり行政に問題があるんでしょうね。京都府の職員は圧倒的に京都府民が多いのですが、大阪の行政は他府県の出身者が多いようで す。だから、あまり土地を大事にしない。僕もできることなら自分のふるさとに博物館を建てたかったのだけど「絶対に大阪だけは止めておいたほうがいい」と 進言してくれる人がいて…(笑)。僕も北野に入った実感を一度だけ痛烈に感じたことがあります。入学した年に母と一緒に北陸を旅行をした時のこと。福井県のどこか(東尋坊のあたり)へ行っ たと思うのですが、もちろん学帽を被っていたわけです。そうしたら帽章を見るなり「ボクちゃん、北野ですか?」と尋ねられてね。母がものすごく喜んでいた のを覚えています。
    その人が土地の人なのか、結婚して大阪から嫁に来た人かは判りませんでしたけどね。「北野って大したものだなぁ」と子供心に感心したのを覚えています。それがものすごく印象的でした。

    ボーダレス化ということで、いよいよ国境のない時代へ突入するわけですが、僕は、だからこそ自分の生まれ育った故郷を大事にして欲しいと思います。それが大阪であれ、京都であれ。
    とりわけ北野は、府立一中の流れを汲む名門校なわけですから。アイ・ラブ・オオサカの精神で、わがまち大阪の誇りを大切に守って行って欲しいと思います。さもないと、大阪の「株」はますます下がっていくと思いますよ(笑)。

    【附録】博物館「さがの人形の家」コレクションより

    御所人形
    伏見人形

Update : Sep.23,2000

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