われら六稜人【第12回】全国制覇…あれから50年

準決勝戦
大阪の恥さらし、やめて帰ってまえ
【vs岐阜商】

    ついに準決勝戦。対戦相手は優勝候補筆頭の岐阜商。翌4月5日の試合は接戦で、3-2で北野が勝ちました。
    長谷川 岐阜商は前の試合で大きなホームランをかっ飛ばしており、正直、試合の前夜はわれわれは怖がっていたね。岐阜商の広江投手は本大会ナンバーワン・ピッチャーという鳴り物入りの評判だったしね。ジーやんから「怖がるな」とは言われたけれど、あんまり効き目はなかったよ。
    山本 試合が始まって、いきなり四球。すぐさま盗塁されてこれが暴投になり一気にホームイン。1分もしないうちに1点取られてしまった。これはコールド負けになるんじゃないかと思ったね。岐阜商にしてみたら「北野はチョロイ」と思たやろなぁ。
    梅田 観客席からは「大阪の恥さらし、やめて帰ってまえ」とやじられたりして…。こらあかんというので円陣組んでワッとやったら観衆が拍手してくれた。岐阜商ははじめ広江も温存しとったしね。
    山本 結局この試合は、ボクと多湖の継投で強打の岐阜商打線を2安打に押さえた。継投というのは高校野球では初めてじゃないかな。しかもウチみたいな「右のノー コン速球派」と「左の軟投派」というリレーは非常に珍しいものでしたよ。それまでは一人で放るというのが定石だったから。
    市村 前にボールが飛んで安心できるのは長谷川さんぐらいで…後は、いつエラーするかわからん守備やったですね。あくる年にまた岐阜の広江と対戦したが、オールカーブ。もう舐めてなかったナ。

Update : Aug.23,1998

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