太陽電池と「低い国」と〜民間企業研究者の海外転職記【第33話】
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アムステルダム最大のプール、Sloterparkbadでの世界記録

水泳、スケート、その次は…?


  アムステルダム最大のプール、Sloterparkbad
▲アムステルダム最大のプール、Sloterparkbad。オランダ選手権だけでなく、ヨーロッパ選手権なども開催されたことがある。このプールでは世界記録も何度か更新されている。土曜日午前は50mプールが中央で仕切られ、片側は一般開放、もう片側ではシンクロのナショナルチームが練習している。午後からは、例によって子供のサバイバル水泳教室になる。
 しばらく更新が滞っていて申し訳ない。「便りがないのはよい知らせ」ということで、幸い仕事が充実しているおかげで、こちらにお便りする余裕がない、とご判断いただけると幸いである。

 実をいうと、平日の仕事だけでなく、週末の過ごし方も充実しているのである。
 前回の話題でお察しだろうが、冬の間、日曜日はほぼ毎週スケートに通っていた。土曜日はというと、プールで水泳をしている。子供が土曜日に通う、アムステルダム日本語補習校から歩いて20分のところに、オランダ選手権なども開催される立派なプールがあることを、去年の11月に発見してからは、子供が勉強している間の一般開放の時間を利用して、まとまった距離を泳いでいる。
 連載第20回では、オランダのプールは競泳愛好者への割り当てが少ないと、文句めいたことを書いたが、何のことはない、筆者の調査が不足していただけだった。第20回で写真を載せた、アルクマール北駅近くのプールも、建物の奥まったところに、実は立派な50mプールがあったのである。これに気づいたのも、去年の夏ぐらいのことで、それまで日曜日の午後しかそのプールには行かなかった筆者は、その時間は開放されていない50mプールの存在に、気付いていなかっただけだったのだ。いやはや面目ない。
 今では、アムステルダムのプールにせよ、アルクマールのプールにせよ、バリバリ泳ぐ人、ほどほどに泳ぐ人らに囲まれて、充実した水泳ライフを送っている。「筆者より泳力のある人はあまりいない」という前言は、謹んで撤回させていただく。永年の運動不足もすっかり解消し、自転車で爆走しても、それほど息が上がらなくなった。脇腹の贅肉も、ひところに比べるとずいぶん控えめになってきた。

大学時代の筆者
▲大学時代の筆者
 とはいうものの、スケート場の開いていない春と夏の間、スポーツが屋内プールでの水泳だけではつまらない。そんな筆者には、取って置きの隠し玉があった。実は、大学時代、カヌー部員として、琵琶湖でレーシングカヌーに励んでいたのである。

 一般にカヌーといえば、川下りを競うスポーツとして知られているようだが、筆者達が励んでいたレーシングカヌーは、湖などの静水の上を、横一列に並んで用意ドン!で速さを競うスポーツである。夏の合宿中は、一日30km程の距離を、1000mダッシュなどを交えて漕いでいた。ただ競技として競うだけでなく、2年に1度は一周200kmの琵琶湖を仲間たちと周航するなど、ツーリングカヌーも楽しんだ。
 アルクマールに住むようになってから、結構な数の人が運河でカヌーを楽しんでいるのに、ずいぶん以前から気がついていた。いつかは自分も仲間に入れてもらいたいものだと思う一方、運動不足由来と思しき、腰痛・首痛に悩まされるうち、カヌーで漕ぎに出ることを躊躇していた。
 しかし、上にも書いたように、水泳とスケートのおかげで運動不足はすっかり解消し、ついでに整体にも通って、首の調子が悪いのも治してもらった。こうなったら、カヌーを楽しむのを躊躇する理由は何もない。

 漕ぎに出た詳しい話は次回以降に譲るとして、今回は、カヌーの上から撮った写真を見ていただくことにしよう。基本的に、カヌーの上でパドルから手を離す行為は、転覆の恐れを増す非推奨行為なのだが、この日は風も穏やかだったので、郊外に出たときに、思いついて携帯を使って写真を撮ってみた。
 街中の様子もぜひ撮りたかったのだが、途中バッテリー切れのため撮れなくなってしまった。次回はぜひ、街中の様子も交えて、ご紹介したいと思っている。

カヌーに乗りながら。両側の葦が目の高さより高いので、その向こう側はあまり見えない。カヌーに乗りながら。両側の葦が目の高さより高いので、その向こう側はあまり見えない。
土手の上の羊たちと筆者愛用のパドル土手の上の羊たちと筆者愛用のパドル(大学時代と同じもの)。
Egmond aan Den Hoef の住宅街が見えてきた。Egmond aan Den Hoef の住宅街が見えてきた。
エグモント伯の邸宅跡
▲上記住宅のすぐ裏手にある、エグモント伯の邸宅跡
エグモント伯とは、オランダ独立直前の頃のこの近辺の有力者。スペインの圧政に歯向かうものの、その後スペインに惨殺された。ゲーテが彼を題材に戯曲を書き、ベートーヴェンが曲をつけた。
こんな狭くて低い橋がくぐれるのも、カヌーの利点。こんな狭くて低い橋がくぐれるのも、カヌーの利点。
歩行者・自転車用の木橋をくぐる歩行者・自転車用の木橋をくぐる。
このあとバッテリーが切れた。このあとバッテリーが切れた。


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Last Update: Jul.12,2009