沈没した車からの脱出講習会 | Vanaf vaart water 運河の上から【第8回】

2013年8月6日

8月3日の六稜トークリレーへのご来場、どうもありがとうございました。当日の講演資料をご希望の方がいらっしゃいましたら、六稜会館にお越しいただくか、メールやFacebookコメントなどでワタシ宛にメッセージをお送りください。個人での閲覧目的に限って、資料をお分けさせていただきます。

さて、ワタシももうしばらく夏休みでのんびりした気分ですので、数カ月前にオランダで見聞きしたことを、またご紹介しましょう。

運河と道路の間には柵も何もありません。運河岸の芝生の上では子供が普通に遊んでいます。ちなみにカヌーを漕いでいるのはワタシの中3の娘(^_^)v

何年か前にこの連載で、オランダでは子供に着衣水泳を徹底的に練習させることを紹介しました。オランダでは街中いたるところに運河があるわけですが、写真でもわかるように、運河の周りには柵も何もありません。子供が遊んでいるうちに思わず運河にハマってしまうなんてことは、常に想定しておかなければいけません。そういうわけで子供の着衣水泳トレーニングは必須なのです。

そんな風にリスクを想定してあらかじめ対策を講じておくオランダ人ですが、着衣水泳のトレーニングだけでは不十分、と考える人達もいるようです。中には、沈没した車から安全に脱出する方法も習っておかなければ!という人もいて、なんとそのニーズに答える講習会が、定期的に実施されているのです!

もちろんそんなコトを習おうなんて酔狂な人がそう沢山いるわけではありませんが、写真のように運河沿いに普通に車が駐車されているようなトコロですから、車に乗ったまま水没してしまうコトを心配する人がいたとしても不思議ではありません。

今回は、そんな講習会を垣間見るチャンスに恵まれましたので、ここぞとばかりの野次馬取材のご報告です。

講習会の案内ウェブサイトや当日のテキストなどをチラ見したところ、ここのプールでの講習会は半年に一回程の間隔で開催されていて、あとは他の町のプールを巡回しているそうです。参加費は一人60ユーロ、約2時間のコースで30分の座学のあと、3回の脱出体験ができるようです。

前口上はその辺りまでにして、あとは動画(低画質でスミマセン)と写真でお楽しみ下さい。写真は全てクリックすると拡大します。

「飛び込み台」にセットされたデモ用の車に、受講者が乗り込みます。もちろん水着でもスウェットスーツでもなく、「普段着」。

「飛び込み」準備完了。車は後部座席にドアがないタイプです。水中ではスタッフが2名待機していますが、1名は「記念のビデオ」撮影係です(笑)

ジャボーン!

しばらくは浮いてます。なお、8コースのうち5コースx25mを講習会が占有。残りは一般開放。

だんだんと沈んでいきます・・・

僅かですが、受講者が自力でドアを開いたようです。スタッフが安全のため寄り添います。

運転席(左ハンドルですよ!)の女性が脱出

車は完全に沈んじゃいました

後部座席の受講者も無事脱出

次の受講班のためにワイヤーで引き上げられるデモ車

まだ中に人が! 中から出てきたのは「溺死役」のスタッフ

次の班が車の中でスタンバイしたところで、前の班は記念撮影。

2013年8月6日
小松雄爾(97期)@オランダ・アルクマール在住(ブログ)