午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第24話】

2009年4月20日


文化の違い

前回、「もう少しイギリスらしいことが書ければ」と書きましたが、今に至るまで、全くイギリスらしい事がありません。

皆さんの中で、イギリスらしいってどんな感じですか。やっぱり、バッキンガム宮殿とか、午後のスコーンとか、紳士とか、そんなんですか。

そういうイメージは、全然間違っちゃおらんのですよ。
ただ、所詮Egham(私の大学のある町)は片田舎です。
それも、湖水地方みたいに、昔ながらの家並みや、美しい自然が残っているのではなく、山を切り開いて作られた住宅地です。大阪で言えば、豊能町に限りなく 近いです。
バッキンガム宮殿は元より、午後のお茶を出してくれるお店もありません。
ただ、きらびやかさ、はなくとも、やはり暮らしていく中で、「あ、これって、イギリスっぽいな」という、小さな発見はあります。

そんな訳で(前置き長いな)今回は、地に足の着いたイギリスレポート、ミクロ編です。

その1 お茶

ミルクティー
▲イギリスと言えば、ミルクティー
写真はFreeFoto.comより。

イギリスの飲み物と言えば、紅茶ですよね。
来た当初は、特に何とも思わなかったのですが、ある日、ハリウッド映画を見て、軽いカルチャーショックを受けました。
一人の刑事が、参考人の家を訪れた際に、「コーヒーはいかがですか」と尋ねられたのです。
イギリスだったら、間違いなく「紅茶は?」となるところ。
「コーヒーなんて、久々に聞いたなぁ」と思いました(私がコーヒーを飲めないというのも、関係していると思いますが)。
また、カフェなどで紅茶を注文すると、必ず「ミルクは入れますか?」と聞かれます。 このミルクにも色々な種類があり、特にベジタリアン用に、豆乳を用意しているところがほとんどです。
ただ、コーヒーに豆乳を入れると、分離して大変なことになるそうですが。

その2 ドアの開閉

寮の食堂のドア
▲寮の食堂のドア
今年リニューアルされました。

地球を歩くのに欠かせない某ガイドブックにも書いてありますが、イギリスでは、ドアを開けた時に、後ろの人のためにドアを開けたまま待つのがマナーです (もちろん、開けてもらった側は「ありがとう」と一言)。
大変良い習慣だと思うのですが、私の寮の廊下などは、狭いうえにやたらとドアが多く、下手をすると、4、5回続けてドアを開ける、または、開けてもらうこ とになってしまいます。
そうすると、開ける側よりも、開けられる側の方が苦しい場合も。
申し訳ない、という気持ちも、もちろんありますが、「ありがとう」のボキャブラリーに四苦八苦することになります。
ただ「Thank you」と繰り返すのも、何だか馬鹿みたいだし。
「Thanks」「Cheers」ぐらいが限界でしょうか(ちなみに、「Cheers」というのは「乾杯!」という意味ですが、イギリスでは「ありがと う」の意味にも使われます)。
また、多くの男性は、女性のためにドアを開けてくれます。
たとえば、ドアを挟んで向かい合う形になったとき、男性は、ドアを開けて、先に女性を通してから、自分が通ります。

いよいよ学年末試験が迫ってきました。
すでに勉強は計画より遅れています。どうなることやら。