午後の紅茶はダージリン〜杏の英国修行日記【第22話】 初めに戻る つぎ

大雪


『ありえへんくらいの雪やで。いや、ありえへんっていうほどでもないねんけどね。別にドアが雪に埋まってもうて、窓から出なあかんーとかいうこともないし。
いやいや、北海道とかに比べたら全然たいしたことないねんで。でも何か、ロンドン18年振りの大雪!とからしいねん。授業とか、先生来られへんで全部休みになるしな、電車も動いてへんみたいやしな。もう外ありえへんくらい白いねん。
でもやっぱり雪降ったら、人間やることは万国共通やねんな、もうあっちこっちにウザいくらい雪だるまできてんねん。ってか大体、みんなちょっと雪降ったくらいで騒ぎすぎやねん。昨日なんて夜中の3時とかまで、外で「雪やー!」ってはしゃいでんねんで?もうええかげんうるさいっちゅーねん。
・・・・ってうわ、また降ってるし!外めっちゃ白いし!ってか寒っ!!』

というのが、2月1日の、私と、日本にいる彼氏との会話オン・ザ・フォンでした。


新聞などで知ってらっしゃる方も多いでしょうが、ロンドンはこの冬、実に18年ぶりの大雪を経験しました。
これを書いている2月8日現在は、雪もほとんど融けています。
明日、学校に行くバスの中からは、きっと「かつて雪だるまと呼ばれたもの」が、あちこちで見られることでしょう。

雪の写真   雪の写真
▲雪の写真
「雪景色というのは、上から撮ってもどれだけ積もっているか全く分からない」
というとても大事なことを学びました。
しかしホント、北国みたいな景色ですね。いや北国行ったことないけど。



冒頭の会話(というか一方的に私が喋っていただけですが)にも出てきたように、道路が凍り、電車もストップしたために、ほとんどの先生方が大学まで来られず、授業は休講になりました。
そして学生のはしゃぐことはしゃぐこと。「君ら、本当に大学生か?」と問いたくなるほどの、はっちゃけぶりでした。
一番印象的だったのは、ロシアやカザフスタンからの留学生までもが楽しそうに遊んでいたことです。
母国で散々見ているだろうに何を今更、と私などは思うのですが、ひょっとすると、もう条件反射的に「雪=とにかく遊べ!」と、遺伝子に刷り込まれているのかもしれません。


さて2月といえば、恋人達にとっての一大イベント、バレンタインデーがありますね。
イギリスは、日本ほどバレンタイン商戦が盛んではないものの、店先にはチョコレートやぬいぐるみが並び、ショーウィンドウはハートで飾り付けられています。
しかし、遠距離恋愛中のカップルには関係のない話・・・・と、諦めているだろうね?私の彼氏君。
ふっふっふ、チョコレートをあげられない代わりに、ワールドワイドウェブで愛の告白をしようではないか!



『大学忙しいのに、いつも電話してくれて、ありがとね。
生意気な事、我が儘な事、沢山言ってごめん。優しい所、面白い所、しっかりしてる所、話を聞いてくれる所、私のボケに突っ込んでくれる所、全部好きだよ。
これからもよろしくね』



さて、超私信である上に、「バカップル?そんな言葉じゃ足りねぇな!」ってくらいの甘々な最後で、読者の皆様には失礼いたしました。どうか、大きなお心でもってお見逃し下されば幸いです。

それでは、また来月。次のコラムがアップされる頃には、もう少し暖かくなっているといいですね。



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Last Update: Feb.15,2009