北へ2007〜白夜とフィヨルドの国から【番外編2】 初めに戻る つぎ

4か国語習得法


秋のノルウェーで狩り旅行
▲ノルウェーはすっかり秋。婚約者は
秋休みを取って、狩り旅行に行きました

森では自生するブルベリーが食べ放題
▲森では自生するブルベリーが食べ放題

【その2】私なりの語学習得法
前回私と語学の関わりについて述べたが、今回は私なりの語学習得法を披露したいと思う。

コンセプトは、「好奇心に従って、そして忍耐強く」である。そして、いい意味でのあきらめ、外国語の完全習得は不可能というスタンスも大事なように思う(できることだけやる。言語で現地人と渡り歩こうとは思わず、本当の勝負は自分の専門分野で!)。

そしてはっきりいって、語学習得は自分にとってどのくらい必要なのかを見極めることも必要だろう。こちらで得られるかぎりの日本からの情報によると、時代はどこもかしこも英語/英会話の必要性を訴えているように思うが、果たしてそうか。英語が話せなくとも、人生は十分に魅力的であると思うし、日常生活や職場で全く外国語が必要でない人も多くいると思う。いいと思う。しかし一方で外国語習得によって世界が広がるというのもまた事実だ。つまり自分は真剣に外国語を習得したいのかどうか考えること。そして、習得したいと決めたら、何がなんでもすること。辛いことがあろうと目標は見失しなわない事。動機をはっきりさせ、常に自分を励ますことが重要だろう。

レベルにもよるけれど、日常生活になるべく語学を入れてゆくことは大切だと思う。映画,海外テレビドラマ等を原語で見たりするのである。テレビの二重音声は意外に役に立つ。内容はもちろんはじめは分かりづらいかもしれない。しかし続けていれば、段々とましになってくるはずだ。そしてなによりお勧めはラジオでの学習である。映像に頼らないので、耳が鍛えられる。NHKラジオは語学学習の宝庫だ。それを有無を言わず決まった時間に毎日聞く(同じ物が一日二回放送されるはずだ)。音声の質にこだわらないというのも大事だ。なぜなら実世界では雑音のもとで相手の言うことを聞かなければならないことがざらにある。

私はイタリア語を日本でラジオとテレビで聞き、問題集で自習して、語学学校には通わなかった。学費が高すぎると思ったからだ。3ヶ月毎日勉強し、現地に飛び、大学に編入できた。あとは実践で学んだ。

DVDを原語で見、原語のサブタイトル(字幕)を表示させ、リス二ングを補うのもいいだろう。こういったことは勉強というより娯楽なので続くと思う。

隣町は有名な観光地ベルゲン
▲隣町は有名な観光地ベルゲン

南トロンドラグ地方(トロンヘイムの属する)の農場風景
▲南トロンドラグ地方(トロンヘイムの属する)の農場風景

そして次なる合い言葉は、「アホになる」である。時に、言葉を話せない=知的レベルが低いといった誤解を海外では受けることがあるが、そういった外部の反応はなるべく気にしない。はじめの頃は話題が何なのかさえもわからず現地人の間で孤立することはあると思う。でもそのときは聞く期間なのであって、ひたすら聞く。なにも言うことが無くても聞く。すると次第にリスニングがついてくる。少しずつ話せるようになると、まちがってもどんどんしゃべって、みずからアホになって言語を習得するのだ(結構エネルギーがいるので、元気がないときは黙って聞いているのもいいと思う)。その時本当にアホなのはあなたではなく、あなたをアホとしか判断できない相手がアホなのであって、目標に向かって進むあなたはカシコなのだ。

私の実感としては、3か国目はより楽に習得でき、4か国語目はさらに楽にというのはあるのではないかと思う。何か国語かのベースがあると、次の原語へのアプローチがたくさんあるからである。例えば、日本語の「国際的な」は英語で「international」、イタリア語で「internazionale」、ノルウェー語で「internasjonal」、発音は異なるけれども、言語的にははっきり言って全部同じだ(もちろんまったく違う単語も多くあるけれど)。
わたしの語学レベルは完璧にはほど遠く、実際この夏に書き終わった修士論文(英語)では、四苦八苦していたというのが現状で、話せる話せない(できるできない)の判断も自分次第なのかなと思ったりもする。私のノルウェー語はかなりボチボチではあるが、いちよう就職試験もノルウェー語でパスしたし、敢えて前向きな意味で、そうなっていくという思いも込めて自称4か国語話せますということにしたい。

2回に渡って偉そうに持論を展開してまいりましたが、人は性格もそれぞれ、語学習得法もそれぞれということで、みなさんが自分にあった学習法を発見し、生活に彩りや、将来の可能性を広げるきっかけになればいいなあと個人的には思う次第であります。

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Last Update: Oct.23,2007