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	<title>ワールドアイ　オランダ &#187; 5 国民皆泳～オランダの場合</title>
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		<title>国民皆泳～オランダの場合【後編】 (2008年1月23日)</title>
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		<pubDate>Wed, 23 Jan 2008 14:34:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[5 国民皆泳～オランダの場合]]></category>
		<category><![CDATA[太陽電池と「低い国」と]]></category>

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		<description><![CDATA[&#160; ▲アルクマール北駅近くにある公営プールの外観 ～太陽電池パネルがずらりと並ぶ ▲着衣水泳の練習に臨む子供達 ～上級クラスはこの服装で練習する そんなわけでオランダ政府は、運河に柵をつけるのではなく、できるだ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<table width="350" border="0" align="right">
<tbody>
<tr>
<td align="right" valign="top"><img src="../../../worldeye/nederland/komatsu20-1.jpg" alt="アルクマール北駅近くにある公営プールの外観～太陽電池パネルがずらりと並ぶ" width="320" height="240" /><br />
<span>▲アルクマール北駅近くにある公営プールの外観<br />
～太陽電池パネルがずらりと並ぶ</span><img src="../../../worldeye/nederland/komatsu20-2.jpg" alt="着衣水泳の練習に臨む子供達～上級クラスはこの服装で練習する" width="320" height="240" /><br />
<span>▲着衣水泳の練習に臨む子供達<br />
～上級クラスはこの服装で練習する</span></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>そんなわけでオランダ政府は、運河に柵をつけるのではなく、できるだけ多くの住民、特に子供たちに水泳を習わせることにした。国によって泳力検定試験の種目が定められ、その合格に向けたレッスンが全国一律に実施されるのである。<br />
色々な制度や習慣が、各都市・各州での自主的取組が許容されているオランダで、こと水泳のレッスンの全国共通度は珍しい。もちろんレッスン料はタダではないが、決して高価でもない。低所得家庭には様々な補助もある。<br />
身体的・宗教的理由などでレッスンを受けない子供も少数ながら存在するが、95%以上の子供が、このレッスンの初級クラス（Diploma A）を修了するという。</p>
<p>以下は、その内容である。</p>
<p><strong>着衣（半袖シャツ、半ズボン、履物）で</strong><br />
◎水に飛び込み15秒立ち泳ぎ、続けて25ｍ完泳。平泳ぎで半分、上向き平泳ぎ（俗称「イカ泳ぎ」）で半分。<br />
<strong>水着で</strong><br />
◎潜水3メートルを泳ぎぬけた後、連続で100m。平泳ぎで半分、イカ泳ぎで半分。<br />
◎クロールで8ｍ、普通の背泳ぎで8ｍ。<br />
◎立ち泳ぎ60秒。</p>
<p>この種目を、早い子では5歳、遅くとも8歳までにはクリアすることが奨励されている。まさに「国民皆泳」と言ってよい。</p>
<table width="350" border="0" align="left">
<tbody>
<tr>
<td valign="top"><img src="../../../worldeye/nederland/komatsu20-3.gif" alt="着衣水泳練習中。着衣では、速度は遅いものの、上向き平泳ぎ（イカ泳ぎ？）が最も体力の消耗なく長距離を泳ぐことができる" width="320" height="240" /><br />
<span>▲着衣水泳練習中<br />
着衣では、速度は遅いものの、上向き平泳ぎ（イカ泳ぎ？）<br />
が最も体力の消耗なく長距離を泳ぐことができる</span></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>ご覧の通り、重要なのは、「運河にはまった時に生きて脱出する」ことに主眼が置かれている。運河に誤って落ちるときは普通は服を着ているし、運河では決 して立とうとしてはいけない。立ち泳ぎで落ち着いて周囲を見回し、すぐ近くの岸までたどり着くことが重要だ。潜水をさせるのは、水没してしまった頭を落ち 着いて浮上させる練習になるし、イカ泳ぎは腕が疲れたときも呼吸を確保しながら前進（後進？）を続けられる。日本では、どこのスイミングクラブでも当たり 前のように「美しく早く泳ぐこと」を目標に掲げるが、このレッスンでは「美しく速く泳ぐこと」は二の次なのだ。</p>
<p>親にしてみても、これだけの泳力を付けさせておかないと、子供だけで外に遊びに行かせることが恐ろしい。子供の方も、このレッスンを通して、着衣で泳ぐ ことがどれほど大変かを体験するので、かえって無茶なことをしなくなる。日本では子供が面白半分で川や池に近づいて、痛ましい事故に遭う例が後を絶たない が、このようなサバイバル水泳レッスンを体験させて自分の能力と限界を知らしめることが、そのような事故防止に大きく役立っているのである。</p>
<table width="350" border="0" align="right">
<tbody>
<tr>
<td align="right"><img src="../../../worldeye/nederland/komatsu20-4.jpg" alt="アムステルダムで最も古いプール、Zuiderbad(1912年開業)" width="320" height="240" /></td>
</tr>
<tr>
<td align="right" valign="top"><img src="../../../worldeye/nederland/komatsu20-5.jpg" alt="レンブラントの「夜警」で有名な国立美術館のすぐ裏手にある" width="320" height="240" /><br />
<span>▲アムステルダムで最も古いプール、Zuiderbad(1912年開業)<br />
～レンブラントの「夜警」で有名な国立美術館のすぐ裏手にある</span></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>競泳やシンクロなど、競技水泳を目指すには、さらにこのレッスンの中級（Diploma B）、上級（Diploma C）を修了しなければならない。種目はほぼ同じだが、中級の着衣水泳は長袖・長ズボン、上級ではさらに雨合羽と靴下を着用する。潜水や連続泳の距離、立ち 泳ぎの時間なども、2倍かそれ以上に伸びる。中級には約50%、上級は約30%が進むと言われている。10歳の子供の30%が、「長袖・長ズボン・雨合 羽・靴着用」で100メートル泳ぎぬく試験をかいくぐって来ているのである。</p>
<p>北野の厳しい水泳授業をかいくぐって来た同窓生諸氏も、この試験内容には舌を巻くのではないか。とりわけ、着衣でそれだけの距離を泳げる自信はあるだろうか。</p>
<p>そもそも日本のほとんどのプールは、着衣での入水を認めていない。それどころか、水泳キャップを必ず着用するよう、口うるさく言われる。もちろんこれには理由がある。浄化装置のポンプに髪の毛や繊維が詰まって故障の原因になるからである。<br />
オランダのプールとて事情は同じ、浄化装置のポンプに繊維が詰まる。それでも着衣水泳の練習の重要性が、ポンプ故障と言う管理側の問題を上回った。おか げで繊維が詰まりにくいポンプの開発が進んだようである。「何でも禁止」にするのではなく、実情を認めて制度や技術の方を実情に合わせる、オランダらしい 実用重視の対応というべきだろう。そのおかげもあって、一般遊泳時間ではキャップの着用は義務ではない。着衣入水も、原則として禁じられていない。</p>
<table width="350" border="0" align="left">
<tbody>
<tr>
<td><img src="../../../worldeye/nederland/komatsu20-6.jpg" alt="Zuiderbadの内部。自由遊泳時間の様子～一番左のコースでは、これから子供の初級レッスンが始まる" width="320" height="240" /><br />
<span>▲Zuiderbadの内部。自由遊泳時間の様子<br />
一番左のコースでは、これから子供の初級レッスンが始まる</span></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>しかし、残念なことであるが、上記の「サバイバル水泳レッスン」が終わると、一部のスポーツクラブ加入者を除いては、これ以上水泳が上達する機会があま り用意されていない。前述のように屋外プールや学校のプールはほぼ皆無だし、たとえクラブに加入しても、公営プールは主にサバイバル水泳レッスンに占有さ れていて、競泳クラスなどへの割り当て時間は短い。水泳上級者と「ほどほどに泳げる人」との差は、日本に比べてかなり大きい。北野の広大なプールを毎日占 有できた筆者ら水泳部員は、大変な幸せ者と言えるかも知れない。</p>
<p>とは言うものの、ハイレベルなトップスイマーは育っている。男子100m自由形世界記録保持者のPieter van den Hogenbandや、シドニーとアテネで合計8個のメダル(うち、金4個)を獲得した女性Inge de Bruijnがその代表だ。前者はカタカナにすると（ピーター･ファンデンホーヘンバント）、長い名前の短距離選手ということで、アナウンサー泣かせで日 本でもお馴染みだ。後者は、インヘ・デブルーインと紹介されているが、インゲ・ドブラィン（或いはドブロィン）が発音的には近い。一時アメリカに練習拠点 を置いていた彼女は、デブルーインと呼ばれるのに慣れてしまっているようだが、オランダ人より恵まれたプール環境で育った我々は、せめて名前ぐらいは正し く呼んであげなければなるまい。</p>
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		<title>国民皆泳～オランダの場合【前編】 (2007年12月26日)</title>
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		<comments>https://www.rikuryo.or.jp/world_eye/nederland/?p=65#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 26 Dec 2007 14:32:55 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[5 国民皆泳～オランダの場合]]></category>
		<category><![CDATA[太陽電池と「低い国」と]]></category>

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		<description><![CDATA[「国民皆泳（こくみんかいえい）」という言葉に聞き覚えはないだろうか。我々の母校は「生徒皆泳」の学校 だったので、同窓生の間でのこの言葉の浸透度は一般より高いかも知れないが、ワープロで一発変換できないところを見ると、どうや [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>「国民皆泳（こくみんかいえい）」という言葉に聞き覚えはないだろうか。我々の母校は「生徒皆泳」の学校 だったので、同窓生の間でのこの言葉の浸透度は一般より高いかも知れないが、ワープロで一発変換できないところを見ると、どうやら一般的な用語ではないらしい。</p>
<table width="600" border="0" align="right">
<tbody>
<tr>
<td align="right" valign="top"><img src="../../../worldeye/nederland/komatsu19-1.jpg" alt="淡路島江井へ臨海学校(昭和15年頃):58期の卒業アルバム(復刻版)より" width="480" height="240" /><br />
<span>▲淡路島江井へ臨海学校(昭和15年頃)<br />
※旧制北野中学時代の水泳教練や昭和16年のプール竣工の逸話については六稜會報52号(2009年3月発行)をご覧下さい。</span></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>少し調べてみると、どうやら戦前あるいは戦中の造語で、戦意高揚の一環として盛んに唱えられた時期があったようだ。それほど「戦時臭」のする言葉でもないので、戦後は<a href="http://www.swim.or.jp/" target="NEW">日本水泳連盟(JASF)</a>が8月14日を「国民皆泳の日」と定め、現在も水泳普及のためのスローガンとして率先して使用しているようだ。</p>
<table width="340" border="0" align="left">
<tbody>
<tr>
<td valign="top"><img src="../../../worldeye/nederland/komatsu19-2.jpg" alt="淡路島江井へ臨海学校(昭和15年頃):58期の卒業アルバム(復刻版)より" width="320" height="240" /><br />
<span>▲北野が誇る50mプール。府立高校では珍しい</span></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>以前にも書いたが、筆者は高校時代は水泳部員として、広大な50mプールの環境を維持することで、同窓生諸氏に辛い体育の時間を過ごさせる企みに加担し ていた (笑)。そのため、国民皆泳という言葉には以前から馴染みがあったが、好きで水泳をやっていた筆者たちとは違って、国民全てに「皆泳」を求めるのは酷であ ろう、という感覚も持っている（と、信じたい）。夏の暑い日にプールや海水浴場に集う人たちを見ると、水に浸かるのは好きだが泳ぐのはあまり好きではな い、あるいは得意ではない人たちは、決して少なくないことは理解しているつもりだ。</p>
<p>とはいうものの、北日本を除けばほとんどの公立小中学校にプールが整備され、6月下旬から9月上旬までの間、学校教育の一環として水泳の授業が実施され る国は、世界じゅう見回しても他に例がないのではないか。ほとんどの市町村が公営プールを持っており、比較的大きな市は必ず公営の室内プールを持ってい る。おまけに、50×25mという広大なプールを持つ公立の普通高校 が存在する！（これはかなり特殊な例）。<br />
一方、民間では全国各地にスイミングクラブが設立され、主に少年少女の体力増進や選手の育成、現在では成人の運動不足解消や体力維持のため、国民生活に 大いに貢献している。筆者は少年時代スイミングクラブに通う機会がなかったので、中学や高校の競技会で、これらクラブの選手コース出身者になかなか勝つこ とができず、悔しい思いをしたものだが、一方でこれらクラブのトップクラスの選手たちがたびたびオリンピックなどで活躍し、お茶の間に明るい話題を提供し てきた。 水泳を趣味とする人の底辺は広く、その技量も半端ではない。筆者は取り立てて速いわけでもなかったが、それなりの技量は持っているつもりである。それで も、日本で近くの公営の室内プールに泳ぎに行くと、どの曜日・時間帯でもたいてい筆者より泳力のある人、同程度の泳力の人などがいた。それだけの技量の人 とランダムに巡り合える日本という国は、水泳大国と称しても差し支えないだろう。</p>
<table width="350" border="0" align="left">
<tbody>
<tr>
<td valign="top"><img src="../../../worldeye/nederland/komatsu19-3.jpg" alt="オランダの運河は暮らしの一部" width="320" height="240" /><br />
<span>▲オランダの運河は暮らしの一部<br />
（アムステルダム市内）</span></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>オランダに引っ越して数ヵ月後、子供を連れて○月○日に保健所に来い、との呼び出しを受けた。妻が日本で使用した母子手帳を持参して話を聞きに行くと、幼時検診や生活指導（この予防接種を受けさせろだの、歯医者で検診を受けろだの）に加えて、<br />
「水泳のレッスンに通わせなさい、あなた、自分の子供が運河にはまって溺れ死んでも構わないの？」<br />
と、強い調子で注意された。<br />
確かに周囲を見回すと、町の中には運河だらけ。運河と道路の境界線にいちいち柵はない。ちょっと油断すれば簡単に落っこちる。運河の水はお世辞にもきれ いではなく、底が見えないのでどの程度の深さかわからない。その上、底がどのような状況になっているのか。捨てられた自転車が沈んでいたりすると最悪だ。 ヘタに足を着こうものなら、足を取られてお陀仏である。</p>
<table width="350" border="0" align="right">
<tbody>
<tr>
<td align="right" valign="top"><img src="../../../worldeye/nederland/komatsu19-4.jpg" alt="日本の水辺の光景（立入禁止の看板）" width="320" height="240" /><br />
<span>▲日本の水辺の光景（立入禁止の看板）</span></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>日本であれば、このような危険な水辺には、幼い子供が近寄らないよう最大限の配慮がなされる。港湾は子供の遊び場ではないし、子供の遊び場近くの溜め池 には厳重に柵が張り巡らされ、「危ないから入ってはいけません」「魚釣り禁止」の看板が取り付けられる。河川も底の見える浅い川以外は近寄りがたい雰囲気 だ。<br />
オランダでそうやって子供の遊び場をいちいち水辺から隔離していては、遊び場になる場所がなくなってしまう。だからといって張り巡らされた運河にいちい ち柵をつけて回るわけにも行くまい。大人であっても油断できない。文字通り、危険な水辺は「暮らしと隣り合わせ」、少しの油断ではまり落ちる可能性は決し て否定できない。</p>
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