続 端午の節句

2013年10月18日

端午節(旧暦五月五日、西暦2013年6月13日)5時に家を出ました。直通バスに乗り黒石礁で市内バスに乗り換え7時過ぎに労働公園に到着。老友達と共に太極拳を行い旧交をあたためた後、社交ダンスのパートナーにして中国の兄貴とも言える老友に会うため公園内の別の広場へ移動。彼は今年86歳。年をとりましたねえ。最近ではタンゴを踊って私に見事なポーズを決めさせてくれるなんてことは無理になりました。数年前まではいったん曲が始まるとしゃきっと決めていたものですが、去年、連れ合いに先立たれ一時は意気消沈して寂しい寂しいを連発、気にかかっていました。幸い昨年末から住み込みの保母(バオムー=家政婦)に24時間いてもらえるようになったとは聞いていましたが“彼女がそうだよ”と満足気に指差すので妹分としては心が軽くなりました。 労働公園の周りでたくさんの露天が主としてさくらんぼ、端午節関連商品を商っています。よっぽど蓬の葉を買おうかと思ったのですが、まだ他の用足しもあり旅順に戻ってからでもいいと考えてやめました。ところが旅順では売っていないのです。休日の早朝はいつも30分ばかり歩いて太極拳の練習に参加していますから 行き会う人が根っこから引き抜いたヨモギの束を持っているのでどこで売っているのか尋ねると山で取ってきたのだそうです。練習の帰りに朝市へ寄ってみましたが、どこにもヨモギは見当たりません。しかし、大連市内でなかなか手に入らなかった活けの泥鰌を見つけました。(500g20元、1元は12,5円ぐらい)泥鰌汁、柳川鍋のレシピを読むと泥鰌を酔っ払わせて調理すべしとあります。お酒を買いに出て戻ってみると泥鰌が仲良く昼寝をしていました。

端午節補足:古くは衛生節、養生節とよばれていました。この季節は気温、湿度が高く細菌が繁殖しやすく蚊等が媒介する病原菌も恐れられ、民間習俗ではこの日は粽を食べ蓬を門口に掲げ薬用酒を飲み匂い袋を身につけ厄除けとしました。 端午節が近づく大連市内では朝市やスーパーマーケットなど至るところで、手作り粽を包むための葉もの(北方は葦やヨシ、南方は竹やハスの葉)、五彩糸ブレスレット、そして蓬の葉が売り出されます。

艾・ヨモギ:伝説によれば、水の魔物が民衆に悪さをしようとしていると知った仙人が蓬と菖蒲で宝剣を作り魔物をやっつけました。魔物が壁や門口にヨモギを掲げている家は襲わないと約束をしました。以来、人々は仙人の子孫である印にヨモギをかかげ魔物を撃退し家や財産を守ってきたと言い習わされてきました。招百福,駆百邪、漢方医の草、とも言い伝えられるヨモギ。ヨモギには抗菌、抗病毒、鎮痰、鎮痰、止血、抗凝結作用など様々な効果があるといわれてきました。このことは現代医学の面からも証明されているようです。また、干したヨモギから作られる艾(もぐさ)灸は最古の医術の1つに数えられています。昔からヨモギには毒気をはらい空気をきれいにする効果があるといわれ、菖蒲や桑の葉、野菊など数種類を使って湯浴みし皮膚を清潔にすれば夏の皮膚病に効果が、独特の匂いはハエや蚊を駆除する効果があると言われてきました。 現代ではヨモギを配合したオイルによるアロママッサージなど美容面でも重宝されています。 雄黄酒 成分は鶏冠石(硫化砒素)消毒作用があるが有毒。皮膚病の外用薬として使います。この季節は、ムカデ、クモ、蛇など五毒出没、「毒を以って毒を制す」というわけか子どもの額や耳手足などに虫除けとして使います。白蛇伝の蛇に飲ませるとたちまち正体を現したという伝説は邪悪なものに対する作用があったからなのかも。 白酒(お白酒に非ず、バイチュウ)で割ってほんの少々お飲みくだされ。ゆめゆめ雄黄酒を生(き)で飲まないように。 おっ!あなたの正体・・・・・だったんですかあ。てなことになりませんようにネ。

匂い袋:厄除けのお守りとしてヨモギ、菖蒲、薄荷などの粉末を布袋に入れて胸の前や腰などの身につけます。日本の匂い袋同様端午節に限らず常時身につけ身だしなみとするのも良い。ただし過敏体質の人は不可。

粽:蒸したもち米を葉っぱで包みます。現在、具は八宝、紅棗(なつめ)、漉し餡、肉・・・など多種多様。もち米にはビタミンBが含まれますが食べ過ぎると消化不良をおこしますので要注意。冷めたものもよくありません。 戦国時代、楚の政治家、『楚辞』の作者と言われる詩人の屈原は楚の命運を嘆いて、ぺキラで投身自殺をしました。人々が魚の餌食にならないようにと粽を投げ入れた故事にちなんで端午節に粽を食べるようになりましたという説は、近年、新聞などメディアにあまり取り上げられなくなってきました。

五彩線腕輪:色とりどりの五色の糸を編んで手首、アンクレットのように足首に巻きます。ブラジルのミサンガは身につけていると願い事が叶うといわれますが、こちらは魔よけ厄除け。そして地方によってまちまちの言い伝えがあります。遼寧省のある説;端午節からあとの雨の日まで身に着けて雨が降ったらはずします。