六稜NEWS-080209
 
六稜トークリレー【第49回】
「断郊競走よもやま話」
〜須原浩之先生


reporter:後藤浩一@86期


今回初めてトークリレーに出席いたしました。普段は東京に住んでおりますので、なかなか参加するのは難しいのです。それがなぜ今回、といえば、言うまでもなく講師が須原先生だったからです。高校の授業やクラスでの思い出というと、ちょっと頭をひねらないと出てこないのですが、陸上部での思い出であれば、楽しいこと、悲しいこと、うれしいこと、くやしいこと、流れるように脳裏に浮かびます。今から考えると中々ハードな日々ながら、月並みな表現で言えば、充実した青春の日々を過ごせたのは、須原先生にご指導いただいた陸上競技部での活動があったからだと思います。

 
 まだ学生の頃はたまに北野に顔を出したり、陸上部のOB・OG会(RAC:六稜アスレティッククラブ)でお会いしたりしておりましたが、就職したあとはずっとご無沙汰ばかりで、前回お会いしたのは先生が退官されるときにRACが催したパーティーのときのみ。あとは都道府県対抗女子駅伝優勝時の大阪チームの監督としてのお姿をテレビで拝見しただけでした。同じ陸上部で同期の斎藤君からの情報もあり、日程を確認したところ特段の予定はなく、今回トークリレーに参加することにいたしました。当日の大阪はここ何年もないような大雪の日で、非常にめずらしい雪景色に包まれた十三を見ることもできました。

 
 講演の前に先生にごあいさつしたときには、「いや、だまされてこうなってしもてな。こんな講演とは思わんかった」というようなことをおっしゃっていましたけれど、用意されていた断郊競走に関わる年表は非常に精細なものでしたし、ご自身の長距離ランナーとしてのご経験、先日の東京マラソンの隆盛に象徴される最近の日本でのマラソンブーム、健康と長距離走、そして本題の北野の断郊競走の歴史と、とても充実したご講演でした。
 古い資料を参照されながらの、当日の運営体制の移り変わりやコース設定の苦労話などを伺うと、改めてすごいイベントであることを認識させられましたし、断郊競争のたどってきた道筋は、北野高校の歴史と密接に関係しているのはもちろん、日本や世界の動きともつながることが理解できる非常に含蓄に富んだ内容でありました。最後はラストスパートで終了しないといけないほど多くの語るべきことをお持ちで、今回の資料は是非また整理して記録にとどめていただきたいと思っております。

 
 また先生のご講演に先立って映写された最近の断郊競走のビデオにはとても懐かしい気持ちにさせられました。陸上部とはいえ長距離走は苦手で、いまだに人生で最も長く走った距離は断郊競争の13kmである私としては、あごを出して苦しそうに走る後ろの方の生徒達に親近感を覚えました。
 会場を出たあとは、RACの鴨脚先輩のご配慮で、同期の陸上部4人(青木、小杉、加藤、斎藤)とともに89期の方々が事前に予約されていた席にも加えていただいて、久しぶりに先生と酒席を囲むこともでき、さらに楽しい時間を過ごすことができました。
 最後になりましたが、手塚治虫さんが戦時の悲しみを描いた漫画『ゴッドファーザーの息子』での断郊競走の場面をスクリーンに映されたり、断郊競走にちなんでぜんざいを用意されたり、会の充実にご尽力されておられました世話役の皆様に心よりの感謝を申し上げます。


Last Update: Feb.29,2008