六稜NEWS-070623
松岡茂雄さんと応援に駆けつけた66期の面々
松岡茂雄さんと応援に駆けつけた66期の面々
感動のデュオ・コンサート

reporter:木下 武、山田喜久子、奈木 進@66期

 公会堂の外観
 レトロな会場
 熱演する二人
 梅雨の合間をぬって、6月23日(土)の午後のひと時を大阪中之島の中央公会堂で、我等が66期の「神戸大学、元グリークラブ部長、テノール歌手、松岡茂雄さん」が、同大学の同僚の「オーケストラ指揮者、田中清三郎さん」とご一緒に「ヤング老人のデュオ・コンサート」を開かれた。

 中之島の水と緑に映える赤レンガの中央公会堂の景観美は大阪のシンボルとして多くの人達に愛され、親しまれてきました。この建物は、大正期ネオルネッサンスの勇壮な建築様式そのままに、大阪市の重要建造物として新しく生まれ変り、創建以来90年を経過している。

 会場は、この建物の3階の集会場で、定員130名でほぼ満員のファンが馳せ参じた。仲間は、池田付属小中から北野高校、大学の仲間も含め、頭髪には白いもの、いや銀色のものが混じった方々が多かったように思われた。

 しかし、お互い古稀を過ぎたこの年になって、「六甲の緑風に誘われて?」、あの若かった高校時代の仲間が、こんなコンサートの場を持つ事が出来た事は、本当に嬉しく、又楽しい思い出の一日になった。

 開会のご挨拶として、田中清三郎さんが、この年になって恥も外聞もなく、臆するところ微塵もなく、よくもこんなイベントを開いたものだ、とユーモアたっぷりに話され、満場の拍手と笑いを誘った。

 コンサートの第一部は、ピアノ独奏(モーツアルト、幻想曲)等で、松岡氏さんのテノール独唱は「イタリー歌曲、日本歌曲(平城山、津軽のふるさと、小諸馬子唄)」等なじみの心和むメドレーであった。

満員の会場

 田中清三郎さん(左)と松岡茂雄さん(右)
 レトロな会場2
 花束を喜ぶ二人
 20分ほどの休憩の後、蝶ネクタイの色も赤から白にそして黒に変えられた第二部は、今日の本番オールシューマンプログラムとなる。

 田中さんのピアノ独奏は、なじみの「シューマン、子供の情景」で、聴きなれた曲に心も和む。この年になっても全て暗譜…当然かも知れませんが、脱帽!!
 そして今日のメインになるであろう松岡さんのテノールと田中さんのピアノとの共演になる、Schumann Dichterliebe『詩人の恋』は、ご存じの通りハイネの「歌の本」より抜粋され、作曲者自身によって再構成されたものです。
この素晴らしい歌曲集1番「うるわしくも美しい5月に」から16番「むかしの、よこしまな歌草を」までを一気に情感声量豊かに、朗々と歌い上げ、特に最終番の「…Ich senkt’ auch meinen Liebe Und meinen schmerz hinein…」…と詩情豊に曲は終った。

 ホール内は割れんばかりの拍手拍手で、お二人の老学友は満面に笑みを浮かべ、花束を抱え、会場の聴衆達と一体となり、祝福の歓声の中…「アンコール!!アンコール!!」の声援に応えられて「彼女に告げてよ」と「カタリカタリ」の世界にひたりながらコンサートは大盛況の内に幕となった。

 これだけの曲をドイツ語で、しかも恋する「優しさ、虚しさ」を静かに歌い上げることは、並々ならぬ日々の怠らない努力と研究など、永い人生の生き様が偲ばれ、家庭的な雰囲気の中の音楽会を堪能させて頂きました。

 本当の最後は、いつになるんでしょぅね(笑)。まだまだ続けられる程お元気です。最後に、この立派なイベントが全て招待だった事、関係者に心よりお礼を申し上げます。
 北野高校の先輩、同輩、後輩の方々二十名ほどにお会いする事が出来ましたこと、心より感謝申し上げます。


Last Update: Jun.27,2007