われら六稜人【第41回】昆虫少年、博物館へ
![]() 博物館の本棟は、駅とマンション群を結ぶ 陸橋のような構造をしている |
来館者数は…まぁざっと言って年間10万人くらいですね。今、行政のいろんな所で「評価」をどうするかが問題視されてますけど、うちもどういう数字で博物館のパフォーマンスを評価するかっていうのが実は全然固まってなくて、これからその数字を作っていかんとアカンわけです。
単純に議会なんかでは入場者数の「多い/少ない」で施設の「良し/悪し」が判断されてしまうのかも知れませんけど、「入館者数=売り上げ」で評価されたんでは、とてもじゃないですけど公共施設の評価としては妥当とは思えません。もうちょっと…博物館のやっていることや存在の評価をですね、別の軸ででけへんやろかなぁと悩んでるんです。売り上げにハッキリ出てくれば…それに越したことはないんでしょうけど。それはたぶん…公共の施設じゃないと思うんですよ。公立学校なんかも同じ悩みじゃないですかね、やっぱり。
これからの時代、博物館もどうなるか分からないですからね、ホント。うちなんか県立の博物館でしょ。親会社である都道府県それ自体が今後どうなるか分からないじゃないですか。行政改革とかいう話になりますしね。そうすると…ただでさえ「ハコモノ」は一番真っ先に必然性を問われるでしょうからね。今後、中身をどうやって行くかを真剣に考えていかないといけないんです。
これは我々の反省なんですけどね。うちの博物館だけじゃないと思うんですけど…中学生から高校生にかけての層っていうのが極めて手薄なんですよ。だいたい博物館に来る客層っていうと、学校が遠足とか授業とか団体で来るんですね。小学生は親に連れられて来ることも多いです、家族客ね。ですから中学生・高校生あたりの年齢層…学校では文化部が低迷してるって話もありますけど…そこのところの層を博物館としても呼び込む仕掛けっていうのを、これから真剣に考えていきたいなって思うんですけどね。
「学校との乖離」は何とかしないといけないと思います。僕なんかもちょっと自分のことを振り返ってみて、やはり中学生・高校生時代に情報を得る場っていうと学校が大きなウェイトを占めたように思うんですよ。小学生なら「連絡帳」みたいな情報を得る手段があるのでしょうけど。中学生・高校生になった時に、とにかく博物館というものの存在を知ってもらうということが大事だと思います。そういう意味では、まず学校に言うて来てもらう、足を運んでもらう、目を向けてもらうっていうのが大きいのかも知れないですね。今年はちょっと僕もセミナーを充実させようかなと思ってます。
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クワガタの背中に乗れるようになってますから…是非、行ってください。そりゃあ子供が喜びますわ(笑)。実は、学習センターの展示や運営計画は、かなりの部分我々が全面的に協力して作ったんです。市役所にそんなノウハウはないですから。だからクワガタムシの名前も「つよしくん」だったりする。おかげで、逆にうちのアイデンティティも明確になったんやないかと思います。
Update : Apr.23,2001