六稜ト-クリレ-【第5回】

    六稜NEWS-040207

    「IT化時代に生きる」
    平野浩太郎(66期)さん

    reporter:奈木 進(66期)

    近年、特にここ数年の間に、日本社会の中での特記すべき大きな変化は、情報社会における変革であろう。企業は言うに及ばず、各家庭にも何台もパソコンを設 置する時代になった。個人所有の携帯電話等は8500万台に達し、3人に2人が所有しているとか…。そして日常生活においても「パソコン」はあらゆる分野 で利用される様になり、各家庭内においても若者から年寄までが、あらゆる情報交換に電話にとって替わって利用される時代になった。
    元々コンピュ―ターは、第2次世界大戦中の科学者・技術者が(弾道計算、核爆発の計算)精密な数値計算を高速かつ正確にする為に開発したのに端を発し、その原理、理論はかなり難しく、我々凡人は容易に理解し難い処である。

    そこで、この度このコンピューター利用のIT(Information Technology)について66期の平野浩太郎先生より「IT化時代に生きる」と言う演題で、その概略を実験的デモンストレーションを交えて少しでも分かり易くご講演をして頂く事としました。

    今回の講演会は内容が理解し難い分野であるので、「六稜会館」と神戸芸術工科大学所属の「芸術工科研究所=DRI (Design Research Institute)」との間をADSL(※)回線を利用して数種類の実験的デモを実施し、それを会館のスクリーン上に写し出して説明して頂いた。

    ※ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)=非対称デジタル加入者回線。
    電話線などの従来の金属線を利用して、高速通信を行う技術で、ユーザー側からサーバー側に対するデータの要求に対し、逆に送信してくるデータの通信量が大きい方式。

    代表的デモの内容は

    1.映像配信 DRI内の様子をIPカメラで配信し、会館内で見る
    2.オンライン相談 DRI内の仮想e-shopのオンライン窓口との会話による相談
    3.ネット交流 DRIと会館の間をメッセンジャーとwebカメラを使用して一般なインターネットによる通信
    4.音楽配信 DRIのパソコンでWindows Media Encorder を使用し、会館からDRI のストリーミングサーバーにアクセスして一方向(DRI→会館)の音楽配信を実施
    5.文書配信 DRI内にズーム可能なIPカメラを固定し、インターネットで会館へ文を配信する
    6.電源ON/OFF 会館からDRI内の電源サーバーにアクセスし、遠隔操作で電源のON/OFFを実施。この時DRI内のIPカメラで映像を配信し、動作確認を行う

    以上のデモにより、インターネットの利用の現状と将来実用的になるであろう応用分野が手に取る様に理解出来た。

    文書、映像、音楽等の送受信の現状は既にご承知だと思うが、最後の遠隔地からの映像で確認しながらのスイッチのON/OFFは非常に興味があり、今後の各種家電、危険な場所での機器操作等に大いなる利用が考えられ、大変希望の持てる興味深い実験であった。

    インターネットの利用・応用に関しては、ナノテクノロジーと共に今後益々新しい分野が研究開発され、止まる所を知らない分野である事が視覚的にも十分理解出来た。

    この講演会に参加された方々は、六稜同窓会の107期~54期に亘り、流石長い歴史を有する北野高校(中学)である事を痛感した。年齢的には、20歳台半 ばから80歳前後までの広がりを持ち、今回の会には60歳以上の参加者が7割に達し、このパソコンに馴染みの薄い年代の方々が多いにも拘わらず、何と向学 心にもえる方々の集団である事かと痛感した次第である。

    現時点において既にパソコンを自由に駆使されておられ方、又始められたばかりの方、そしてこの講演をお聴きになられ、これから始めようと一念発起された方もあると信じます。

    このイベントが切っ掛けとなり、少しでも関心を持って頂き、この分野に参入される同窓生が一人でも居られれば誠に幸甚に存じます。

    参加者の感想として、当初は「IT」と聞いただけで、もう難解な講演と内心思われていた方々も、映像を見ながらの説明を聞いている内に、非常に興味が湧 き、かなり見様見真似でパソコンを使っていた友人も「眼から鱗」であったと感想を漏らしています。又、今回の講演より学校側からも教育の一環として先生、 生徒の参加を積極的に勧めるとの事であり、ホームルームでも生徒達に知らされる様になった。

    本イベントを実施するに当り、事前に何度も回線等のインフラのテストランにご尽力、ご協力下さった研究所の研究員、大学院生の方々にお礼を申し上げたいと思います。

    ●応援に駆けつけた66期の皆さん

    Last Update: Feb.21,2004

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