六稜トークリレー【第62回】

講演風景

「いよいよ始まる裁判員制度」樋口庄司さん@69期

reporter:中田 洋さん@69期

3月7日の六稜トークリレーは69期・樋口庄司君の講演でした。テーマは今一番ホットな話題の「いよいよ始まる裁判員制度」。母校の3階ホールには69期生約20名を含め約100名の聴講者が集まりました。

松本忠さんが講師紹介
▲講師紹介をする学年理事の松本忠さん

69期学年理事の松本忠君の紹介で樋口君が登場。市民の司法参加としての裁判員制度の意義の話から始まり、なぜこの時期に裁判員制度を始めるのかについての話がありました。
ついで、皆さんの一番知りたいこと。裁判員はどのようにして選ばれるのか。裁判員に選ばれたらどういう仕事をするのか。普通の人でも出来るのか出来ないの か、と言うようなことの具体的な説明がありました。さらに実際の法廷の様子についてはスクリーンに写し出された DVDの映像を通じてわかりやすい説明がありました。

検事の起訴状朗読、被告の罪状認否、弁護人の冒頭陳述から始まり、目撃者の証人尋問と続きます。裁判員も時に応じて被告人や証人に質問できます。
裁判のあとは評議と言って、裁判官と裁判員全員でその日の問題点などの総括をします。
この評議はそれほど堅苦しいものではなくて、裁判員は思ったことを自由に発言します。勿論意見の相違などもありますが、裁判官は話し合われた問題点を平易に整理していました。

最高裁の広報映画『審理』の上映を交えながら ▲最高裁の広報映画『審理』
の上映を交えながら

何回かの裁判のあとにいよいよ判決の内容を決めねばなりません。事実認定に基づいて有罪か無罪かを決め、さらに量刑まで判断します。裁判官と裁判員が一つのチームとなって結論を出していくプロセスがよくわかりました。
DVDもただ写していくだけではなくて、ポイント、ポイントで樋口君のコメントが入りますのでとてもわかりやすく、引き込まれている間に時間が過ぎていきました。

今まで裁判員に指名されたらどうしようかと心配していた六稜人もなんとなくほっとした感じ。これなら私でも出来る、と言う気持ちなりました。
今まで裁判というと何か堅苦しい、市民感覚とは別の世界と思っていた人も裁判を少し身近なものと感じられたのではないかと思います。この裁判員制度は殺人などの重大な刑事事件に適用されるとのことでした。

講演のあと質問の時間がありましたが、裁判員は量刑の判断で責任を問われることがあるのか、どんな場合に辞退できるのか、評議で自由に議論できることが大 切ではないか、などなど、質問がどんどんと続き、司会者が途中で打ち切らざるを得ないほどでした。皆さんはいかに深い関心を持って聴講されていたかがよく わかります。
ちなみに、判決に対する裁判員の責任ですが、原告(検察官)、被告とも判決に不満ならば控訴の手続きがあり裁判員がその判断で責任が問われることはないとのことでした。

「審理」
▲広報映画は最高裁Web
上でも見ることができる

裁判官といえば堅苦しい人で、今日も堅苦しい話ではないかと思っていた方も、樋口君の平易でざっくばらんな説明に時間を忘れて聞き入りました。裁判への市 民参加については大歓迎だが、自分が裁判員に指名されたらどうしようかと心配していた皆さんも、今日の講演で十分納得され、指名されたら積極的に引き受け ようという気持ちになって帰途につかれたことと思います。
尚、今日、残念ながらお話が聞けなかった方は、本日映写されたDVDが公営の図書館になどには置いてあると思いますので、興味のある方は借りられたらよいかと思います。

Last Update: Mar.14,2009

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