六稜ト-クリレ-【第22回】 reporter:河渕清子(64期)

    六稜NEWS-050813

    「ほむら野に立つ~私を救った北野生」広実輝子さん
    102名にも上る多数の参加者があり、運営委員の一員としてホッするのも束の間、当日「受付」に置いた「復刻・留魂録」の因果で、軍国少女その後談を書くようにと当日の進行係奈木さん(66期)から突然仰せつかり、重たい筆を執ることになった。
    考えてみれば、終戦の年が小六生だった私だから、今や「語り部」世代の末端に入るのかもしれない。余暇を縫って、繁忙な会館運営のお手伝いがこのトシで出来るのも、六稜魂ならぬ「留魂録魂」のなせる業かとも思っている。

    当日の会場は、さすが若い期の顔は少なかったものの「“ほむら野に立つ”ドラマに惹かれて」とか「戦時中の話に興味を持って」とか、その他多くの広実ファンでいっぱいだった。
    教師経験もお有りの広実さんのお話はさすがに分かりやすく、戦時下の状況が思い入れを交えながら淡々と展開されて行く…とりわけ学徒動員のくだりでは熱の入ったお話ぶりに皆感動し目を潤ませる人もいた。
    私の頭の中も何時しか昭和20年に戻って行った。往時を懐かしむ心の中で、悲しみと憤りが交錯し、頭の中は熱く燃え目には涙が滲んで来た。
    思い出したくない戦争、然し忘れることの出来ない戦争、あってはならない戦争なのだ。
    そして終戦…あたりが白く見えた思いも忘れることが出来ない。

    広実さんの講演に引き続き、同じ石産精工へ動員中に戦火を浴びた生々しい体験を代わる代わる語って下さった58期の岩下、橋本、川口、奥田、の諸先輩方、並びに旧豊中高女5期生お3人のお話をお聞きした。当時を生きた私には胸つまる思いだった。

    戦争体験で培われた不撓不屈の精神も、まだ幾らかは私の中に潜んでいるようだ。だからある意味では「戦争体験」も私の人生にとってはかけがえの無い貴重なものに思えるのである。


    Last Update: Aug.27,2005
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