Santa cruz Island

2013年6月4日

朝8時出発のチャネルアイランド行きの船に乗り込んで1時間あまり、

10メートルもあるだろうか巨大海藻が、ゆらゆら揺れる小さな桟橋、スコピアンピアに着くと、

国立公園保安官からキャンピングのエチケットの説明を受ける。

今晩泊まるための大きな荷物を担いでキャンピングサイトまで1マイルほどの道を歩く。

テントをたて、早いランチを食べると、ポテトハーバポイントと呼ばれるところへ

むけて、トレイル歩きに出かけた。軽いのぼりを10分ぐらいいくと、石灰岩の真っ白な

肌が、穏やかな丘陵地帯のそこここに残雪ように見える。金色にも見える枯れ草の丘

には、灌木の緑が所々に模様になっている。20分ぐらい歩き続けると、丘の先に真っ青な海が見えてくる。

太平洋だ。沖合には1艘のヨットが点のようにじっとしている。

崖ふち(クリフ)に出ると、そこからは、崖沿いにトレイルは続いている。ペリカンの編隊が、すぐ横を

グライダーのように静かに私たちと同じ方向を飛んでいく。

崖には、モンキーフラワ、小さなサボテンの花がところどころで咲いている。

花が散って今にも空に飛びそうな綿毛が、そこら中にある。

道の真ん中に小さな穴がたくさんあるのに気づいて、立ち止まって見ていると、穴に出たり入ったりする小さなはちを見つけた。土蜂だろうか?

1時間程度歩くと、ポテトハーバポイントにくる。崖の下に見せるエメラルドの海岸は人を近づけない。そのかわり、シーライオンがそこら中の岩に寝そべっている。

海の中で遊んでいるものもいる。

その崖にはフェンスもなく、一歩踏み外すと空中を何秒か楽しんでのち、確実に死の世界に入ってしまう絶壁である。

からすの仲間でもとりわけ大きく頭のいいレービンが目の前を誘い込むように飛んでいる。

ここは、国立公園として保護されている無人島で、ひとりの女性の保護官のみ住むことを許されている。そのために、ここでしか見られない島キツネも生息する。

崖には、多くの海鳥の巣がある。

そこからは、再び崖ふちの細いトレイルを2マイルほど歩くと、Cavern Pointと呼ばれる岬につく。

この岬には、日没を待って、再び上ることにした。

満月の夜だからだ。スコピアンロックの上に現れた金色に輝く満月は、大きく、

波が銀色に輝き、島全体を昼間のような光で包み込む。

至福の時である。