パンの歌

2012年7月24日

パンの歌

パロスベルデス岬角頂上あたりにある我が家の台所からトーランスへ、坂道を自転車または自動車で20分ほど降りて今朝はオルガニックフードの店(Whole Foods)に行きます。   店先には出盛りのすいかやハニーデュー、カンタロープのメロン類、桃すももや柑橘類が大きな箱にごろごろと積み上げてあります。冷房のきいた店内にはいるとブルーベリーやラズベリー、いちごやトマトきゅうりコーンなどなど、奥のほうには豆やナッツ、粉や乾果物やお菓子、穀類がガラス張りのケースやびんにずらっと並んでいます。

豆はガルバンソ(ひよこ豆)、小豆、とら豆にキドニー(金時)、うずら豆、レンズ豆(レンティル)、黒隠元、白隠元、どじょういんげんに花豆、また、エンドウ豆を干して皮をとり、二つに割ったスプリットピーも緑、黄、オレンジ色と取り揃えて、オルガニックのものそうでないものと別々のガラスケースにはいっています。ジャックと豆の木の魔法の豆に違いないと思えるようなのもあって、献立を考えながら選んでいると時の経つのも忘れます。

明日は、お昼にミネストローネにしましょうとひらめいて、ガラスケースのふたをあけ備え付けの銀色のスコップで2はいほど白隠元豆をすくい袋にいれました。紙縒でとめて#7515とコードをかきいれてレジに持っていくと、1ポンド強の豆に$1ほど支払いました。家に帰って、豆を水につけ途中で水を替えながら一晩おきます。

同じ日の午後、パンも仕込んでおきます。

wholewheat(全粒粉)1カップとunbleached(無漂白)白小麦粉を2カップに14tくらいのイーストと塩、水は1.5カップほど加えて混ぜます。サランラップできっちり覆います。18から24時間置く間に、14tほどのイーストが空中に自然浮遊しているイーストを誘ってパン生地を醗酵させます。

さてあくる朝です。

きのうから漬けておいた豆を20分ほどゆでておきます。

そのあいだにパンの支度をします。パン生地はまる一日イーストが働いてぶつぶつ穴があいています。空気を抜きながらおもちのようにきれいな丸にしてparchment paperのうえに取り出しておきます。黒豆やquinoa,chia seedsごまなど上にふることもあります。オーブンを475Fに点火して愛用の赤い鍋(ダッチオーブン)をオーブンのなかにいれてあたためておきます。換気扇もコンベクションオーブンのファンもまわします。

30分ほどすると鍋の赤色がえんじ色になるほと熱くなっているのをとりだします。ふたたび膨らみ始めたパン生地をparchment paperごと入れ蓋をすると、鍋のなかでシュウという声が聞こえます。イーストが死ぬ音です。鍋をすぐにオーブンに戻します。475F30分焼いたあと、ダッチオーブンの蓋をとってさらに15分焼くとできあがりです。

イーストが死んだかわりに、おいしいパンとなってよみがえりました。ちちちちりりりりと喜びの歌を歌っています。

パンの歌をききながら、ダッチオーブンのなかにオリーブ油、玉ねぎにんにく人参セロリ、ズキニ、トマトとスープストック、ゆでておいた豆もいれ、まだじゅうぶんに熱い余熱のオーブンの中に鍋をもどします。

今日のお昼はパンとスープです。