食べ物

2005年8月13日

15日間のパリ生活【第3話】

火曜日は近くのディディエ市場の朝市に徒歩で出かけた。15分くらいの距離にあり、近くにはスーパーマーケットもあることがわかった。市場は野菜、果物、 雑貨は戸外で、魚、肉、ワインなどは屋内に店があった。これはどうもヨーロッパ共通のようで合理的だと感じた。

結構高かったが、ホワイトアスパラガスを仕入れた。アルプス地区の農村で食べた採りたてのホワイトアスパラガスの味が忘れられないという知り合いがいる。 その勧めで、6月はじめにベルリンで食べたことがあるが、それ程とは思わなかった。今回は直前にNHKの「ためしてがってん」でアスパラガスの保存法やゆ で方を学んできたのが役立った。コーヒーポットにアスパラを立てて湯がいたが、成功であった。塩やオリーブオイルで食べたが確かにうまい。瞬く間に10 ユーロ以上を食べてしまった。その後も食べたが、このときが最もおいしかった。実は値段も次第に安くなっていった。タケノコと同じで、収穫した後どんどん 硬くなり、皮を向かなければ食べられなくなる。最後には根に近い部分には中に穴ができていた。収穫期に急いで配送してきたのが高く、収穫期を過ぎると硬く なるので運搬にも時間をかけるので安くなり、まずくなることのようだ。東北や北海道では採りたての根曲がり竹のたけのこを生で食べるが、よく似たことなの だろう。


▲朝市の魚屋に並ぶ新鮮なスズキ

その後も野菜や魚、肉を仕入れて食べたが、野菜ではズッキーニ、ホーレン草、サラダ菜、いんげんなどがおいしく、トマト、ナス、キウリは東京といい勝負 で、根菜は日本のほうがおいしいかなという印象が残った。さかなはちょうど鯛のシーズンで、おいしい鯛が手に入った。ちゃんとウロコをとり、3枚に下ろし てくれ、皮を剥ごうか、と聞いてくれる。もちろん皮付きで、パリッとした食感まで賞味した。写真は市場に新鮮なすずきが並んでいるところである。肉類では 羊、豚と鴨がおいしく、にわとりが東京と同等で、牛肉はアメリカより劣るかもしれないという印象をもった。

牛乳、コーヒー、冷凍食品、日常的なワイン、ミネラルウォータなどはアパートの筋向いのマーケットで仕入れた。冷凍食品ではラタトゥイユの冷凍がおいし かった。これは3-4種類の野菜をさいの目に切って混ぜるので忙しい家庭では結構大変であり、冷凍はありがたい。こういうおいしい野菜の冷凍食品が日本に あると、共稼ぎの家庭など助かるのにと思った。若い女性にもっと子供を生んでもらうには、子育て用の保育所とともに、楽で、おいしい炊事を提供することも 大切なことでないか。