ウィーンの散歩道 ~Mit der Musik【第8話】

2008年1月23日


光に向かって


▲大好きなウィーンの街

皆さま、お久しぶりです。いかがお過ごしでしたか?
サッカー欧州選手権(EURO2008)で街中どこを見ても大変な盛り上がりのウィーンですが、私は別世界のところで自分と向き合っていました。

6月3日と11日に行われたリサイタルで、ウィーン国立音楽大学の卒業試験が全て終わりました。
ウィーンで生活を始めた2003年から今日までの5年間、両親をはじめ、恩師、友人、多くの人に支えられ、強い気持ちを持ち続けてやってきました。試験 当日は、この5年間の成果を悔いのない形で舞台で表現でき、結果を出せました。今まで支えてくれた人たちが喜んでくれたことは本当に嬉しかったし、今後の 自信にもつながると思います。

これからは学生としてではなく、音楽家としてどう生きていくかが大きな問題です。 大学では、コンサートピアニストとして本番に向けた練習・・・楽譜の解釈、演奏方法、表現の追及、自分の内面世界を知ること、自信を持ってそれらを舞台で 表現すること・・・を日々やってきました。しかし実際は、なかなか大学を出てすぐにたくさんコンサートがあるわけでもなく、マネージャーがいるわけでもな く、生活のため試行錯誤しなければいけません。

私は、ウィーンという一流の音楽家が多くいる街にいるので、そういった音楽家の側で今までの事が生かせてさらに広がるところで活動できればと思って色々足を運んでいる最中です。


▲光に向かって

それと同時に、ピアニストとしての自分の可能性にも挑戦していきたいです。勉強もしてリサイタルもやっていきたいの で、そのための厳しい練習、訓練は常に続けるつもりです。他の仕事と両立するのは難しいかもしれませんが、あきらめないで強い気持ちを持ち続けようと思い ます。
門下にはコンサート活動を頻繁にしている仲間も何人かいます。そういった人たちはみな、自分で広告、というか自分のアピールできる資料をいろいろなコンサート会場に送って返事を待つなどして、積極的に動いています。
日本人である私は、オーストリア人に比べるとやはり少し不利な面がありますが、彼らの見よう見まねで、この夏は資料を作ったり・・・少しづつ道が開かれるよう、緊張感のある夏になりそうです。