ウィーンの散歩道 ~Mit der Musik【第7話】

2008年3月23日


ウィーンの調律師、加藤さん


    皆さま、こんにちは。
    ウィーンは先週から真冬の気温に逆戻りして毎日雪が降っています。穏やかな春は4月までおあずけのようです。
    そんな寒い先週末、滋賀県在住のピアノ調律師の方がドイツでのお仕事の帰りにウィーンに遊びに来られたので、ウィーンのピアノ関係の場所をいくつかご一緒してきました。
    ウィーンでピアノの調律、修理をされている日本人の方は何人かいらっしゃいますが、私も以前3年間グランドピアノを貸していただいてお世話になったウィーン在住25年の加藤さんのお店兼ショールーム、作業場を訪ねてきました。

    ▲様々な国のピアノ(ショールーム)

    ▲1800年代のスタインウェイのピアノ

    ▲ウィーナーアクション

    ▲加藤さんと調律師の村山さん

    加藤さんのお店には、ヨーロッパの様々な国や時代のピアノがあり、スタインウェイ、べーゼンドルファー、ベヒシュタイン、プレイエルなどなど知らないピアノもたくさんありました。約200台のピアノを貸出しされているとのことなので、それらの定期的な調律、修理、また新しいピアノや中古でも程度の良い楽 器の仕入れとその調整など、それはそれは管理が大変だろうなと思います。加藤さんは、オーストリア人のパートナーと何人かの調律師を雇って経営されてお り、ウィーンの留学生にとってはとても頼りになる存在なのです。

    次の日はオーストリアのピアノ会社べーゼンドルファーを訪ねてきました。 残念ながら、作業場である工場(ウィーンから50キロ離れたNeustadtにある)は復活祭の休暇中で、一番興味のあるところは見ることができませんで したが、会社の技術者の方に修理場やショールーム、ホールを案内していただけました。修理中のピアノやたくさんの新しいピアノを見せていただき、音も出す ことができました。
    個人的にはべーゼンドルファーのピアノは日本で弾くと音がこもりがちで弾きにくいな、と感じることが多かったのですが、ヨーロッパだと気候のせいもあって温かい音が広がる感じもするし、静かな音がいい響きで鳴るので好きな楽器です。
    ぜひ、次回は工場へも行ってみたいと思います。ヤマハに買収されてしまいましたが、2つの会社の良いところを出し合って、より良いピアノが生まれることを期待しています。