六稜NEWS-090809

▲第3ステージ「West Side Story」より
稜声会合唱団演奏会2009

reporter:則松照也さん@58期

「よどこん」以来のお付き合いの64期の河渕さんから熱のこもった案内状が届き、8月9日、豊中ローズ文化ホールでの稜声会合唱団演奏会に参加した。時間が早かったせいか、広い会場は閑散として空席が目立っていたが、開演が近づくにつれて次第に埋まり、ほぼ満席に近い状態になった。前方の席には、早くから稲本(54期)先輩がおられたようだが、私の周りには、橋本(58期)、奈木(66期)、辻村(90期)、松岡(112期)の諸氏が次々に陣取り、俄然にぎやかになった。

開演と同時に会場に緊張感が漂い、混声合唱曲「岬の墓」が始まった。團伊久磨の代表的な混声合唱曲の一つで、作詞者に堀田善衛の名があるのが懐かしかった。声域が広くて耳に快く響く点では、混声合唱が一番だと思っているが、予想に違わずボリュームも奥行きもあり、自然と壮大な歌の世界に引き込まれていった。わずか30名ほどのメンバーが歌っているとは思えぬ堂々としたコーラスだった。これまでの練習と努力がうかがえる気がした。

続いて第2ステージのア・ラ・カルトに移り、「G線上のアリア」、「しあわせよカタツムリにのって」、「レ・ミゼラブル」等が趣向を凝らした演出で歌われたのだが、それぞれ歌を楽しむ余裕と雰囲気が感じられて、稜声会の個々のメンバーの実力を見た思いがした。

第3ステージは、ミュージカル「West Side Story」、映画で鮮烈なデビューを果たしたジョージ・チャキリスの印象が強く、どんな演出になるのかなと期待のステージだったが、いきなり、それぞれ黄色と黒色のTシャツ着た一団が飛び出してきて驚いた。一瞬メンバーが殆ど入れ変わったのかと思うほど若々しく感じた。、2つの色は、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」のモンタギュー家とキャピュレット家に擬したジェット団とシャーク団の2つの不良グループを表していることが分かった。全員を黄色と黒色に2分して、ダンスと決闘の場面をコンパクトにまとめられた演出に感心した。色といい形といいどこか幾何学的で面白く、構成の几帳面さが効果を発揮していたようで、演出の坂口さんの才能を感じた。聞きなれたTonightが歌われる頃には、若き日のナタリー・ウッド(マリア役)を思い出し、陶然とした気持になり、そのまま終演を迎えた。

最後に校歌を合唱して、演奏会の余韻覚めやらないまま、みんなで庄内の街に繰り出し、辻村くんの肝いりで、うまい餃子と冷たいビールで乾杯して帰った。稜声会のみなさん、有難うございました。

Last Update: Aug.16,2009