われら六稜人【第25回】プロスポーツの舞台裏で


ガンバ大阪ユースの選手たち

PK戦
Jリーグ100年構想

    単にサッカーを普及させ、日本サッカーを強化することだけを目標にしているのではなく、日本中にスポーツのできる広場や施設ができて、日本中のみんながス ポーツを観たり、したりして、スポーツを通じて人間性やボランティア精神を育てていく…そして世代を超えた人と人とのふれあいの輪を広げていく…。Jリー グはそんな「100年構想」を持っています。これは、川淵チェアマンが提唱したJリーグの理念ですが、要するにガンバが地域でサッカークラブとして一本立 ちすると同時に、単にサッカーだけでなしに地域社会と連帯感を持って貢献するということです。ヨーロッパなんかだと、サッカークラブがあって、そこは地域住民の一つの交流場所なんですよね。で、そこで、市民がいろんな形でスポーツを楽しんでいく と。地域社会のいわゆるスポーツクラブ的な役割を果たせれるようになるよう頑張ろうというわけです。これは 30、 50年でもできないことかもしれない。 100年かけてやろうやないかと。そういうわけで「100年構想」といいます。

    なかなか現実はそこまで考える余裕ありません。Jリーグが始まって7年ですが、ここへはまだまだです。ヨーロッパのクラブというのは200年~300年かかってやっとできてきたわけですから…日本はこれから追求して行かねばならないと思いますね。

    そのプロセスの青写真は今から描いていかねばなりませんけれども、今、正直言って言葉だけがあって、そういう青写真がないですね。16クラブありますから、実現のための方策をそれぞれが意見を出し合って考えていかなければならないでしょうね。

    最後に一つだけ言わせていただきます。中年以上の方に多いんですけれども「サッカーご覧になられませんか?」と聞くと「あれはねぇ、ややこしくて良く分か らない。だから観に行かない」とお答えになられる方が非常に多いんです。ですが、サッカーでややこしいのはオフサイドぐらいで、あとは強いて言えばアドバ ンテージぐらいですかね。何にも難しいことはないんです。要するに、マナーに違反することが違反になるというだけで、非常に分かりやすいんです。オフサイ ドもしばらく観ているうちにすぐ慣れます。

    それともう一つ言いたいのは「野球は試合中にビール飲んだりスルメの足かじったり会話も楽しみながら観戦するのに対して、サッカーは気が抜けない」と、こ うおっしゃるんですけれども、これが面白味だと私は思うんです。サッカーは瞬間芸なんですよ。この毎秒毎秒変化していく中で、選手が瞬間のうちに組み立て を行うことによって点につながるんですね。だから、息が抜けないんです。で、この息が抜けないことが、野球と違ってスッと感情移入できるところです。

    「ガンバ応援したろ」とガンバファンになっちゃったら、もうやめられません。ガンバのキャッチフレーズは「My Town, My GAMBA」です。特に大阪の方には、ぜひ実際に足を運んで観に来てほしいですね。

Update : Oct.23,1999

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